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第01章 第02章 第03章 第04章 第05章 第06章 第07章 第08章 第09章 第10章 第11章 第12章 第13章 第14章 第15章 第16章 第17章 第18章 第19章
第15章
感動させる音などない・・・
でも、意味を明らかにする音はある・・・
■15.05 アルバムを創る人々 聴く人々 編■

第14章特別編 いける音は遠くない・・・

■ 15.01 インデックスとイントロ
■ 15.02 音がいいとか、悪いとか・・・ 編
■ 15.03 音楽の本質 編
■ 15.04 HDCDとは・・・ 編
■ 15.05 アルバムを創る人々、聴く人々 編

2002/06/16,07/02,11/25,2003/3/12

ご注意

このコンテンツは大きいので4つに分割されています。
プロの音楽をされている方々のサイトで、このページだけをリンクしていて、意味がちっとも理解できていない方が見受けられます。ちゃんと全体を読んでくださいね・・・


音を作る人々は、聴く人ではない・・・

ご注意

これから先の話題は、ひとくくりにアルバム制作のプロの人の話題をしていきますが、素晴らしい人もたくさんいらっしゃいます。でも、そうでない人もたくさんいらっしゃるので、まあ、世界の暗黒面を真っ直ぐに見つめながら書いている・・・くらいにご理解ください。

かるばどすほふでは、日本のオーディオメーカーが作るオーディオ製品がなんで海外製よりも高く評価できるものが少ないかについて、(ちょっと辛辣に)説明している場所が何箇所かあります。
そうした説明を要約すると、「オーディオや音楽が好きでもないのにオーディオ製品を設計する設計者」には、十分な製品を作れるための資質が足りない、という話題に収束します。

詳しくはこちらをご覧ください。

で、この問題は、プロのアルバム制作現場にもあります。

ホントは制作工程でいろいろな職制があるんですけど、意図的にまぜこぜに説明しますね。職制の説明が面倒ですし、多くの人は興味が無いと思うので・・・。例えば、前の節でご説明したHDCDを創る工程はちゃんとしたアルバム制作工程であればマスタリングエンジニアが行いますし、製造したCDのチェックは別なエンジニアが行います。つまり、録音とかミキシングと別な工程なんですね・・・ややこしいでしょ・・・(^^;。でも、抱えている問題は、同じだったりします。

つまり、「オーディオのような形態の音楽が好きでもないのに、録音したりアルバムを作ったりする人たち」が多いのです。
ここまでに説明してきたように、パッケージ化された音楽とライブ音楽は、あらゆる側面で根本的に異なります。同様に、音楽を行うことと、アルバムを作ることには、大きな隔たりがあるのです。
音楽が好きなだけでは、パッケージ化された音楽を十分な完成度にするには、やはり資質が足りないのです。
アルバムの制作で大切なことは、音の可能性をどこまでパッケージ化できるかと、どこまで再生時の状況を想定して、再生しやすくするか、があります。
この、いずれもが、設備と技術がかなり進歩し昔よりも高いポテンシャルが実現されながらも、それを使いこなすことについて、ちょっと昔よりも怪しいのが今の現状です。
そして、この、いずれにも、アルバム制作者が家庭などで音を聞く側の経験を十分に持つことが、大切な要件となります。また、そうした能力をもつ人たちを前提として、プロ用モニター設備はもともと作られています。プロ用再生設備は音楽を楽しみながら聴くための能力は、高くありません。音の特徴を、再生とアルバム制作に長けた人たちが、わかりやすく掌握できるように作られているのです。

あと、もうひとつ重要なのは、丈夫さでしょうか・・・

しかし、かなりの比率で、自宅に満足なオーディオ設備も持たないアルバム制作者がいます。言い換えると、音を聴く側の経験が?です。で、そうした理由を聞いてみると、仕事ですばらしいものを使用しているから、十分なのだそうです・・・私の感想は、いい加減にしてくれよ、というものです。

飲みながら、本当にそうした話題を彼らとしたりしてます。
で、彼らが次に言うのは、そんなによく聴いている人は少ないというものでした。
私の感想は、へー、専門家はどこにもいないでいいわけだ・・・となります・・・(^^)

このような人たちが、一般家庭でどのような再生状況なのかをあまり知らないために、ヘッドホンで聴いたらちゃんとしてるけど、また、ラジカセで聴いたらしゃんとしているけど、普通のステレオで聴いたら、めちゃくちゃになる音を、平気で作るようになるのです。そうした音は、スタジオではちゃんとしていたりするのでしょう・・・相当に再生を配慮すると、かなりの水準で鳴りますので・・・。
その背景は簡単で、音を作る人たちが、聴く人ではない、そこにすべてがあります。
再生を考えないで作られた音、それは、もっとも再生が難しいものであり、音が悪いと一般的にいわれるものです。そうしたアルバムの制作者は、意味もないHDCDの場合と同様に、ちょっともそうした状況を理解しておらず、うっかりを続けているのです。
そのような作りの音楽を再生するシステムは、適当で良いというのも、一理あります。そうでない場合は、スタジオで配慮されている以上のことを配慮した再生系が家庭に必要になります。私は、後者の道を、つまり厄介な道を選んでいます。
その理由は、すでにご説明しました。
オーディオとは、再生を通じて、音楽の本質を明らかにすることだからです。

この文にひっかかりがある方があることに昨日に気づきました。そこには以下のように記載があります。
「文中「オーディオとは、再生を通じて、音楽の本質を明らかにすることだからです。」には、「音楽の本質は音じゃないかもね」と返答してみる現場人。」
それを説明している内容がこのコンテンツの?K音楽の本質編なのですが、まあ、ちょっとしか見ないのがホームページの特徴なので、しようがないんですかね。ただ。このコンテンツは4章構成なので、全部を見てほしいと思うんですけどね。?K音楽の本質編には、こう書いてある節があります。
「しかし、オーディオにおいての音は、たったひとつの手段であり、他の方法がありません。それは、感動という最終的な目的から最も遠くから入るという悲しい宿命があります。それがオーディオという趣味が持つ、業なのでしょう。」
音を仕事にしている人の業も、同じですよね。
ホームページの宿命で、連続的に書かれている内容も、このページだけご覧になる方があることは避けられません。ここで述べた話題は、インテグラル・セオリー的な知識に基づいて解説した「音楽の本質」で述べた結論に基づいた、けっこう理論的な話題です。このコンテンツに、関係した説明をこちらに追加しておきました。お時間があれば、この関係した説明の先にあるいろいろな解説とコンテンツをご覧いただければ、お役に立てるかと思います。

2002/11/5

メディアの送り手の不見識をカバーしきれるものではありませんが、できる限りのことをするのは、オーディオを趣味とするものにとっては、当然のことです。HDCDの動作について、ごちゃごちやと説明した理由は、その音の特徴を技術的に明らかにするためのものでした。アルバム制作者がこのような状況である以上、再生側にとって、ある水準を超えるためには必要な知識だからなのです。

再生の難しいアルバムとは・・・

HDCDのごちゃごちゃした話題を離れて、アルバム制作者がどのようなミスをしているかについてちょっと説明しようと思います。
ずいぶんといろいろなパターンがあるのですが、網羅的でもしようがないので、ここでは典型的なやつを突っ込んでご紹介して解説します。
で、具体的な話題をエントリーにしたほうがわかりやすいと思います。ただ、そのために、ああ、とわかる方もあると思いますし、悪い例とするわけですから、対象になられる方は、ちょっと不快に思われるでしょう。だもので、ちょっとぼかして書きます。
あるところで、ハイエンド機器をライブに使用するということを何回かしたことがります。
これは、すばらしい機会でした。もう、ぜんぜん違うんですね・・・演奏している人も驚いたりします。
そうした中で、PAを行う人がデジタルコンソールとデジタルレコーダーを持ってきてくれたことがあります。

ライブでは、リアルタイム性が要求されるので、基本的にすべてアナログ系でシステムを構築します。デジタル系のシステムは、どうしてもバッファ等の関係があり時間遅れがいろいろと発生するため、ライブでの使用は簡単ではありません。

その際に使用されたマイクはライブで使用するPA用マイク以外に、室内音収集用のマイクも複数用意してありました。そうすることで、ライブ演奏のpa以外に、後日に編集もできるようになっていました。
このライブに居合わせた人たちは、そうした設備をあまり見たことがない人たちが多かったので、ライブを堪能した後、記録した音楽を再生してくれました。
はじめはPA用のマイクから収録した音だけで再生していました。
これはもう、ライブそのままに楽しめます。そりゃ、そうですよね、そのPA用マイクが収録した音で、ライブと同じスピーカー、同じアンプで再生するのですから、悪いわけはありません。部屋も一緒ですからね。同じような感覚で音は再現されました。
それに留めていれば良かったのですが、この収録していた人、なにを考えたのか、異なる場所にあったマイクの収録音をミキシングし始めました。そして、再生音は醜く歪みはじめた(理由は後述します)のですが、まったくそれに気づかないその人は、平気でpaマイクの収録音と、離れた位置(といっても2mくらい)のマイクの音を、同じレベルでミキシングし始めたのです。
再生音は、声を含めて醜く歪んでいました。私は、いい加減にしてほしくて、抗議しようと思ったのですが、相手は善意でやっていることですし、一応名前も知られた人(らしいのですが・・・私は知りませんでしたけど・・・)ですから、対面もあるだろうと思い、黙って我慢していました。
なぜ、この時に音が醜く歪むかというと、その理由は、音の位相差とマイクで採取されている音の違いにあります。音は、進む速度がかなり遅く、1秒間に340m程度です(温度で変化します)。ですから、マイクの離れていた距離が2mであるということでも、実に170Hzの音の波長に相当してしまい、かなりの帯域で位相差が激烈になっていきます。

余談ですが、人が音の方向を認識するときに、だいたい500Hz以下の音は位相差で、それより周波数の高い音は音のレベルで方向を認知します。ですから、声のように両方にまたがる音の再生は、位相特性、周波数特性がフラットである必要があり、難しいんですね。
さらに余談ですが、そうした背景からスーパーウーファーを使用して低域を補償する場合、位相特性制御は必須です。これを行わないと、スーパーウーファーの位置がわかります。低域の場合、方向がわからない、というのは、1本だけで低音だけを出した場合に限られており、通常のスピーカーと併用すると、通常のスピーカーから出る低音との位相差を人が認知するので、スーパーウーファーの位置がわかるようになってしまいます。で、ちゃんとしたスーパーウーファーはそうした位相制御機能を内蔵しているのですが、すごく稀ですね。ない場合は、スーパーウーファーも左右で2本使用しないと実用にはなりません。
右の写真は位相制御回路を内蔵しているANTHONY GALLOのアクティブ・ウーファーの例です。なかなか効きました。

ちょっと異なっている波形の位相ずれした音との合成波形は歪みはじめて、ひどいと雑音となります。酷いと、ほんとうに、ビリビリと聞こえたりするのです。
波は右の図のように、別な波を合成するとオリジナルとは違う形になります。
電気的にひとつの信号にまとめてしまうと、つまりミキシングすると、そうして合成された音楽信号となります。で、元に戻すことは出来ません。で、そのままスピーカーから音にされたら・・・たいへんな状態です。
率直なところ、そんなトラブル、聴いていりゃわかるのですが、こうしたうっかりをする人には、きっと気持ちの中に、こんな考えがあります。

自分の収録した音は、口元や楽器に近接した位置のマイクの音に過ぎない・・・
だから室内音をくわえることで、よりリアルな音になるのだ・・・。

このように書くと、なるほど、と思う方もあるでしょう。しかし、この考え方は、あまりにも?です。2m程度しか離れていない、しかもそうした位置で大出力のPA出力を収録したマイクは、室内音とよぶことは、とてもできないのです。波形が似すぎています。そうした、位相差を激烈に伴う似た信号を高いレベルで混入すれば、歪むばかりなのは自明であり、音の原理を知らないだけです。
このようなトラブルは、ものすごく一般的で、いろいろなアルバム制作時にも違う状況でですが、散見されています。
このライブの場合でしたら、再生時には、PA用で収録した音、つまり歌手の口元と楽器にもっとも近接していたマイクだけを再生するのが、一番順当でした。それは、ライブを再現することだからです。なにしろ、同じ会場で同じ設備で再生するのですから、聴いている人の感銘を受けることも、当然になったでしょう。
次に再生して良かった音は、離れた位置で収録した音だけを再生することです。
もしも、このような収録形態でちゃんとしたミキシングをしたい場合は、位相差についての問題を配慮するため、収録時に位相管理用の信号(これはマイクで楽器演奏位置などで音を実際に出して測定する必要があります。専用の測定機能をもつ設備もあるのですが、録音現場で使用しているというのは、聞いたことありません。家庭などの再生時の位相ずれ測定には、使用したりします)を収録して、その位相差分を適切に制御してミキシングする必要がありました。ただ、そのような厳密な運用に耐えられるデジタルコンソールがあるかどうか、私は知らないのですが・・・。

デジタルの時代、音の理屈は、経験としてでいいから、理解して

先にあげた例の本質として、この収録をした人の知識が、ずいぶん昔に確立した音の収録知識にしたがっているために、行っている人は正しいと信じてたのだ・・・ということを、あげることができるでしょう。

と、私が勝手に思っているだけで、本人にインタビューしたわけではありません。でも、このときの本人の解説も「室内音が加わるとこうです、いいでしょ」という的外れなものでしたから、このように述べたことが誤っているとは思ってはいません。

率直なところ、音は聴きゃわかるのですから、専門家なら気づけよ、といのが私の本心ですが、音の世界では頭で聞いていて耳で聞いていないというトラブルは、よくあることです。

すでに説明したように、オーディオにおける音楽経験のホラーキーは、音というものが如何にその人の主観の基にあるのかを示しています。本人がいいと思い込んでいると、そのままにしか感じないことは、不思議ではありません。でも、プロがそのままでは、困りますね。

かつて、オーケストラなどを収録するとき、よくとられたテクニックが、先に説明したライブで行われた方法です。マイクロホンには指向性があります。指向性が向いていない方向のマイクの特性はかなり悪いものになります。

無指向性マイクもあるのですが楽器の直接音収録に使用するのには向きません。そうしたマイクが収録すると、さまざまな反射音も同時に収録するため、激しく音が劣化します。それは、周辺から来る反射音のもつ位相差のためで、人が聞くと、ものすごく遠から聞こえる、いびつな音として認識されます。
余談になりますが、無指向性マイクで思い出した笑い話があります。
2001-2002年浜崎あゆみカウントダウンライブのTV放送です。無指向性マイクを使用したのか、単一指向性マイクを極めて離れたい位置で使用したか、そのいずれかのような悲惨な音でした。私は会場でライブを見てから、家に帰ってHDDレコーダーで収録した内容を見て、その音に愕然としてしまいました。テレビの音でわかるのですから、ひどいものです。家庭から楽しみに見た人たちは 、あんな音で聞かされたのですから、すごくかわいそうです。会場は、なかなかいける音でしたから・・・。PA用コンソールから音をもらうことが向かない/できない場合で、離れた位置にしかマイクが設置できない場合は、特性を犠牲にしても、超指向性マイクを使用するのが基本で、定石でもあります(超指向性マイクは、原理的に特性がいびつです)。PA用スピーカーにむけて、それぞれを設置し、聴感で位相を調整して聴きやすい音にミキシングするのが、会場にいた音響技術者の本当のお仕事です。HDDに記録された映像を見た私の感想は、いい加減にしろよ・・・というものでした。ライブを演奏する人にも、楽しみにしている人にも、失礼極まりない(音の専門家がした仕事ならですけどね・・・意外とカメラマン以外はだれもいない、いい加減なお仕事だったかもしれないし・・・)放送でしたが、あんまり初歩的な話題なので、まともに話題が展開もできないので、笑い話としてご紹介した次第です。

そのため、ホールから返ってくる音(ホールトーンといいます)を美しく録音するため、専用のマイクを使用して収録します。そして、それをミキシングしたりします。
この場合は、ホールがでかいので、音の位相差は激烈になっていますが、どーんと遅れているので位相差というよりも、もう、別な音です。距離があり、大きく減衰していますし、人間には位相差というよりも、まんま遅れた音として認識され場合もあるほどです。
そうした音のミキシングと、先に説明した状態のミキシングが同一で議論できるはずもありません。まったく異なることであり、音についての常識的な知識の問題でもあるのです。
これらの、アナログ技術全盛時代に確立された知識とテクニックの、表面的な真似をしているに過ぎない誤運用事例は膨大にあります。
似たような話題で特に多いのは、デジタル・エフェクタの誤運用でしょう。
アナログの時代、アナログ・エフェクタを通した音は、激烈に変化していました。ホールトーンに相当する音を作る場合も、実際のホールトーン並みにどーんと違う音でしたので、簡単にミキシングしても、それだけでは大きな問題はありませでした。
しかし、デジタル・エフェクタは、精緻なものも多く、正確な位相遅れを再現できます。それを応用して、声や楽器に厚みをつける・・・気持ちで使用しているのだろうと思うのですが、そうしたことも行われています。これは、ちゃんと正しく運用してくれていれば、つまり、よく配慮してやってしれていれば(ちゃんと特性をデザインしてという意味です。きめ細かいデザインができます・・・ちゃんとしたエフェクタなら)なんの問題もないのですが、たいして考えもしないでお気楽にやっている事例が少なくないようです。そうした場合、再生時に、似た信号の位相ずれからの干渉が原因で、歪っぽく聞こえたり、雑音を出したりします。このような場合、スピーカーから再生された音を聞く位置でそれが発生することが、ほとんどのようです。さすがに、音楽を作る人たちは、自身で聴いて確認しているでしょうから・・・。ただ、普通の室内で再生された場合を想定していないため、自分で聴いただけでOKとしているように思います。ですから、良く言えばクリティカルな、悪く言えば不注意な音作りをしたままにしてしまうのです。制作者が聴く環境は、家庭で再生されるのとは全く異なる環境だから、基準としてはいけないからです。
いったんそうしてアルバムが作られてしまうと、再生時には大変です。ヘッドホンとか、近くで聴くならいざ知らず(ベッドサイドオーディオでご紹介した聴き方です)、そうでないと、スタジオに匹敵するくらいの配慮があるか、運がよく偶然にうまく条件が整ったりして再生できないと、うまく聴くことは困難です。
このようなアルバムの音作りは、やはり、制作側の誤運用です。制作者には、音楽を受け取りやすくする責任があり、このような運用は、HDCDと同様に、原理も意味もわからず、無茶苦茶をしているに過ぎないといえるでしょう。
このような話題を書いていると、きりがないのでこのあたりで、次の話題に入りたいと思います。

Sound And Recording誌を読んでいると、経験豊富な専門家がもどうしようもない質問に一生懸命答えているシーンとかが随所に読み取れます。ですから、すべての専門家がこんな初歩的なちょんぼをしているわけではありません。でも、同誌を読んでいると、いくら初心者向けの簡単な雑誌とはいえ、このままではやばいだろうな、日本のパッケージメディアの音は・・・と、考え込んでしまうこともあります。

スタジオ設備の音を基準にしては、アルバムは作れない・・・

先に述べた話題は、ちょっとひどい事例から入りました。ただ、実態として、このような事例の応用的な話題は、多々あります。

そして、紹介した事例の話題は、ちゃんと耳で聴きながら音を確認する人にとっては、抵触することはない話題でもあります(裏返すと、それもできていない人も結構いるいうことですかね・・・書いていて思ってしまいました)
しかし、デジタルエフェクタの運用で話題にしたように、そうした音を確認する人たちも、ずいぶんと困った問題をやってくれます。
家庭内における再生と、スタジオ設備における再生の、違いをあまりわからずに音を判断しているとしか思えないアルバムは、やはり多くあるのです。

右の写真は世界的に有名なデンマークPuk Recording Studio の studio1です。ま、このスタジオを使用するレベルのアーティストだとここで説明している話題は、関係ないでしょうね・・・(^^;
しかし、この広さとデザインでは、室内の干渉波なんて、議論の余地なく、影響ないでしょうね・・・。日本にもこのクラスのスタジオ、いくつかはあるんでしょうか?浜崎あゆみもいつの日かこんなスタジオで音楽を作れるといいですね。日本では陣内孝則が使ったことあるみたいです・・・不思議・・・。

スタジオの設備には、メインのモニターとして、けっこうちゃんとした特性のスピーカーがあります。そして、ちゃんとしたアンプもあります。で、一般再生をシミュレーションするために、小型ステレオとかcdラジカセがあったりもします。そして、スタジオの音を確認する側の部屋は、よく検討された特性を持った、ちゃんした部屋だったりします。
打ち込みで音楽を作る人は、ヘッドホンとか、小型の近くに設置されたスピーカーから音を聴いていること、多いみたいですね。
で、これらの環境にはひとつの特徴があります。
それは、位相特性が比較的安定している、ということと、室内反射音の影響が少ないということです。
このような環境で音を確認するのは、当然のことです。
ただ、気をつけなければならない点があります。そうした環境の音は、一般的な再生環境ではないため、再生時には、いろいろな危険をはらんだ音を作ってしまう事については、アルバム制作中に音を聴き判断する人がもつ、再生についての経験によってのみ回避できるということです。

右の写真はドイツ Red Deer Studioです。音楽用というよりも映画用スタジオでしょうか。ドルビーサラウンド用みたいです。
安っぽいですがドイツ的なデザインが気に入って入れてみました。

そのようなアルバム制作時の音でもっとも配慮が厄介な場合とは、室内反射音による干渉への配慮でしょう。特に、位相特性をいろいろといじった音を左右に振り分けている音など(ひとりの声をエフェクタによりコーラスっぽくする場合とか、声に厚みをつける場合)は、左右のスピーカーから出た後、リスニングポイントで干渉した音になりやすくなります。特性がちょっと暴れて過ぎている環境では、それはもう、聴きにくい音となってしまう場合もあります。ですから、声に厚みを与えるために、上手く使えないデジタルエフェクタを使用するのではなく(上手く使えるなら別に問題ないですけど・・・)、歌手に負担があったとしても、複数回歌ってもらい合成することくらいは避けて欲しくありません。
日本の家庭で聴く場合の部屋の広さには、ある程度パターンがあるので、注意すべき帯域の音があり、敏感な配慮が必要です。それを怠ると、かなり厄介な状況が簡単に表出してしまいます。そして、そうした帯域が激しく影響するのが、ちょうど声の帯域の(主な帯域部分の)範囲までなのです。

室内反射音で、一番気をつけて欲しいのは、ビニールの壁紙の音に敏感な音作りをしないことです。で、続いて、広さに合わせた音を考えて欲しいということですね。もしもアルバムを作る人が日常生活の中でもそうした音を聴き別けていないとしたら・・・耳鼻科にいったほうがいいかもしれませんね・・・プロなんだから・・・。

このような音を作っている場合、スタジオの環境やヘッドホンでは、ちっともわからないことがあります。これは、再生の経験が豊富でないと、避けられないトラブルなのです。
何回も述べたように、プロが使用する設備の目的は、音楽を聴くことではなく、音の性格を明らかにすることですから、経験豊富なでセンスのいい専門家には、そうした設備のモニター音ですぐにわかることです。ですから、経験豊富でセンスのいい専門家が制作したアルバムは、一聴してわかります。とても簡単に再生できるからです。そして、音のいいアルバム、なんていわれたりするのです。
また、シンプルに録音したアルバムに評価が高いものが多い理由もご理解いただけるでしょう。シンプルに録音したものは、そもそもへんな合成波形を再生時に作りにくい録音であり、再生が容易なのです。
そうしたアルバムの音作りは素直で、位相特性も不自然に崩れていないので、再生が容易なのです。ですから、どこで再生しても、ある水準を超えた印象を与えることができます。
しかし、そうした経験がない制作者が、凝りに凝ると・・・再生には、スタジオに匹敵する以上の配慮をした環境が求められたりします。

大体、家庭というのは、建物が目的が違う設計なのですから、いろいろ配慮するということは、大きな負担を伴います。

すでにご紹介したアルバムで、再生が難しい、と説明したアルバム群は、そうした背景があるのだと、信じています。

繰り返しになりますが、ベッドサイドオーディオとしてご紹介した内容は、これらの背景をクリアするテクニックとして説明したものでした。

いいアルバムはたくさんある

シンプルな録音でなくても、素晴らしいアルバムはたくさんあります。
ただ、再生が厄介なアルバムと、そうでないアルバムはあるのですが・・・。
なんか、特殊なアルバムを結構ご紹介したような気がするので、再生が比較的容易なタイプでちょっと一般的なアルバムを、サウンドトラックなんかを含めて、毛色の変わった面白い奴をいくつかご紹介しましょう。友人に紹介してもらった内容などを含めながら・・・。


XENA

WARRIOR PRONCESS
ORIGINAL TELEVISION?SOUNDTRACK

ケースを捨てたのでレコード会社がわかんなくなりました
VSD-5370

日本ではあまり知られていませんが、欧米ではなかなか人気があったヒロイックファンタジーのTVシリーズです。6年ほど続いていました。最終回がちょっと不評な気もしますけど・・・。

XENAの紹介をこちらに書きました

私をよくご存知の方ですと、このアルバムを結構私がよく面白がってかけること、ご存知だと思います。
TV映画でこんなアルバムの音楽を作る、ハリウッドって凄い・・・。
音楽は、プルガリア音楽のイメージがちょっとあるのかなぁと思います。
このアルバムは、映画音楽らしい大規模なマルチトラック録音を、だいぶこねくり回して作っている感じがしますけど、いやな音は全く無いですね・・・ちゃんと再生すると・・・。聴いた人は、みんな、おおーっと音楽のイメージと音の作りに驚きます。また、それほど再生が難しいアルバムでもありません。
輸入盤ですが、Amazon.comなんかで簡単に買えます。サウンドトラックは6枚あるのですが、ここでご紹介しているアルバムは、その中でいちばんはじめのものです。
ちょっと余談ですが、左のがXENAの不評な最終話の、ディレクターズカット版DVDです。

ちなみに Region Code 1ですので、それが再生できる環境がないと見れません。

XENAのシリーズは、意図的にビデオやDVDにされていないのですが、この最終話だけは別扱いみたいですね。
star Wars Episode 2もそうですが、アメリカの文化に日本の文化が結構深く入っているかなーと感じさせるストーリーでした。
この最終話で、XENAは肉体を滅ぼして、精神的な姿として残るという感じのストーリーとなります。で、舞台とか、設定とか(なにしろ富士とか出てくるし・・・(不死にかけているみたい))、出てくる人たちの衣装とか、みんな日本の文化そのままみたいです・・・。
アメリカのXENAファンからは、なんのための6年にも及ぶ冒険だったのだと、怒っている話題をけっこうネットワークで目にしてしまいます・・・そりゃそうだ・・・(^^;


izzy / ascolta

Virgin Record CDEV951

これは親友である先輩が最近の気になったアルバムとして教えてくれたアルバムです。偶然買ったそうです。ちょっと珍しくて、渋谷のTOWER RECORDSで買うときは、結構大変で、お店の人が探し出してくれました。
izzyは、当年で25歳のソプラノ歌手です。いまのところ、このアルバムascoltaだけみたいですが(Virgin以前のアルバムは入手できないとこのコンテンツを作ったときは思っていました・・・でも、私のライブラリにありました・・・あはは 2002/11/24)、新しいアルバムの準備に入ったみたいです。
ロンドン Abbey Road Studio・・・(^^)v・・・で作られたのが、このアルバム ascoltaです。
クラシックの名曲に、作詞して、歌っています。なんか、そう書くとフーンと思ってしまうのですが、でも、いいです。実に編曲が洗練されているのと、声が素晴らしいですね。録音も、実にセンスの良いアルバムです。
アルバムのジャケット中に池田大作の本からの引用があるのにはちょっと驚きましたが、ま、イギリスの人みたいだから、日本人みたいな先入観はないんでしょうね。先入観無しであれば、結構感動的な文章として読めました。
私の好きなシベリウスなども、歌になっています。なお、日本版を購入すると、ボーナストラックとしてshima-uta(島唄)が入っています。あ、日本版のCDをしまった場所が・・・(^^;

お恥ずかしい話題ですが、以前にこのコンテンツを作成した際に「古いアルバムがみつかんない」式にコメントを書いていたのですが、なんと、私のCDライブラリにDECCA時代のIZZYのアルバムがちゃんとありました・・・(^^;・・・持っているアルバムのアーティストくらいは全部覚えていると思っていたのですが・・・。
右のアルバムが私のライブラリにあったものです。
IZZY / LIBERA ME

DECCA 458 913-2

このアルバムもロンドンAbbey Road Studioで作られています。1998年10月の制作です。作りもascoltaを髣髴とさせる、こちらの方がちょっと大人っぽい作りになっています。
この人、若いのですが、音楽だけではなく、制作スタイルにもひとつの一貫したものがありますね。プロデューサーのCraig Leonも同じなので、このチームは仲良く移籍したんですかね、Virginに・・・。

2002/11/25


くるり / ワールズエンド・スーバーノヴァ

ビクターエンターテイメント
VICOLD35354

これは、九州を訪れた際夜梨さんから教えてもらったアルバムです。こうした電子音中心のアルバムは、再生系のカラーレーションを徹底的に嫌うんで、再生しにくいアルバムかも知れませんけど、面白いアルバムですね。
ちなみに、シングルアルバムです。
私は、くるりは初めてでしたけど、このアルバム、くるりの中でもちょっと異色だそうですね。
しかし、本当に、ロックなのかな・・・(^^?
とっても面白い、自然には存在し得ない音の音楽・・・こんなのも、電子音の面白さですかね・・・いろいろなタイプがありますけど・・・。


RAFAEL FEREZ ARROYO /
ANCIENT EGYPT

Natural Acoustic Recordings
NAR-0010-01
2001/4〜10月までかけて録音

なんか、締めくくりでご紹介するアルバムが、このコンテンツの始まりでご紹介しているものとタイプ違い過ぎる気がしたので、ご紹介にタイプが似ているものを追加することにしました。
このアルバムは、古代エジプトの音楽を、壁画などから楽器の製作を行い、ヒエログラフを歌い、当時の音楽の復元を試みたものです。というか、かなりファンタジーでもあります。
すでにご紹介したMUSIQUE DE LA GRACE ANTIQUEの現代版という感じてすね。
録音はサンフランシスコの教会(Santo Domingo de Silos)とマドリッドのスタジオで行われています。英語/スペイン語で51ページのブックレットがついており、詳しい解説と、詳しい録音記録がついています。率直なところ、現代の音なのですが、録音はシンプルな方法という印象を与えます。でも、そうではありません。1曲を作るためにアメリカ/サンフランシスコやスペイン/マドリッドでの演奏を組み合わせたりしています。ずいぶんと凝っています。この録音場所の切り分けは、エフェクタの代わりです。つまり、エフェクタなどは使用せず、自然のアコースティックにこだわって作成したアルバムです。そうした環境のため、コーラスなどのバックに鳥の声が紛れていたりします。
不自然なエフェクタを使用していないためか、再生は容易ですし、音は鮮烈、そしてHDCDではありません。しかし、再生システムに応じて深い音が出てくる、現代的なアルバムです。こうした音楽がお好きなら、結構楽しめると思います。

2002/7/2


浜崎あゆみ I am...

avex AVCD-17037

このコンテンツ、このアルバムの話題で始ったのですから、このアルバムを含めないといけませんね・・・(^^)
このアルバムは、HDCDです。
ですから、HDCDに伴う諸条件があります。ですから、HDCDデコーダーは使用して欲しいですね。もっとも、これまでのHDCD化されたアルバムほど、危うい感じはしません。HDCDを使用しなくても、そんなに違和感はありません。
しかし、厄介なのはその先にあります。このアルバムは、エフェクタの使用方法に特徴があって、再生にクリティカルな点が多いのです。そのため、再生環境にかなりクリティカルなものがあります。
ですから、HDCD+再生時の厄介さ、というダブルのややこしさがあるアルバムです。
あは・・・このアルバム創っちゃうの・・・(^^;・・・

これって、サブタイトルの文句でした

でも、浜崎あゆみのアルバムでは、いちばん良いのではないでしょうか・・・A BALLADS以前の中では・・・。

別な意味でも・・・


浜崎あゆみ A BALLADS

avex AVCD-17278

HDCDという技術は、どのような音楽のために作られたのか・・・それは、アコースティック系アレンジの曲のためであると、断言できます。そうした技術は、曲を選びます。
浜崎あゆみのこのアルバムは、HDCDアルバムとして秀逸です。多くのHDCDのアルバムが、HDCDに頼り、音楽的には?なものが多いのですが、このアルバムはHDCDの良い側面をとてもうまく利用しています。
こうしたアルバムが浜崎あゆみから届けられると、うれしくなってしまいますね。
このアルバムのHDCDエンコードは巧妙なので、デコードしなくてもとても楽しめると思います。

2003/3/12


ゲド戦記 サウンドトラック
TOKUMA Japan TKGA-503

アニメのサウンドトラック…あまり知られていませんが、日本でもっとも良い音楽関係の仕事…かもしれません。いろいろな冒険も出来るし、沢山の人にも聴いてもらえます。

特にジブリ作品は音にも凝るので、制作者にとって素晴らしい仕事でしょう。

そうした機会を生かしきった作品といえるのが、このサウンドトラックです。

録音はDSD、SACDとのハイブリッドCDとなっています。

音楽業界よりも先に行っていますね…(^^)

アコースティック系のサウンドですが、録音はファンタジーらしく、ホール然とした旧来の音ではない、オーディオ的な音です。ホールのライブでは聴けない、素晴らしい録音となっていますし、テルーの歌も素晴らしく録れています。


では・・・この辺で・・・・

さて、如何でしたでしょうか・・・
オーディオの遍歴?N 感動させる音などない・・・でも、意味を明らかにする音はある・・・
このタイトルを思いつくのは早かったのですし、内容を思いつくのも早かったのですが、なにぶん、書いていたら、長くなってしまいました。
話題は、いろいろと広がりましたので、読まれる方も大変だったのではないでしょうか・・・
お疲れ様でした。
次回は、もっと軽い話題で・・・(^^)v


より素晴らしいパッケージ化された音楽が創られますように・・・
より素晴らしい音楽が皆さんの手元でひも解かれますように・・・・

心から祈りを込めて・・・



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