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オーディオの遍歴
第13章 友来りて、日は暮れ行く


 


2001/10/15

ここに書いていることはすべて実話に基づいています。で、だいたい事実のままですが、読み物としてまとめていますのであしからず・・・・。あと・・・日付の順序はいいかげんです。

2001年某月某日 工業デザイナーさん、来る

GILERA Saturno
萩原さんがデザインした GILERA Saturno
SUZUKI GOOSE
萩原さんがデザインした SUZUKI GOOSE
CALVADOS号
萩原さんがデザインしたCALVADOS号
色は黄色と私が話したら、俺は赤が得意だと言われました…(^^;

新しい自転車が欲しくて、いろいろと見ているうちに、FRPでボディーを作ってくれるハンドメイドの自転車を見つけました。ま、見つけましたというよりも、お仕事がらみで話をしていて、納得のいく性格 のデザイナーさんなので、この人に頼みたいなーと思った次第です。実は、納得するのは早くて、会ったとたんにオーダーしたので、驚かれてしまいました。そして、オーダーしてもすぐには作らないのが、この人のいいところです。

何回も一緒に飲みました。六本木のクラブでテキーラを3本空けて(彼の話では私一人で空けたらしくて・・・翌日から二日間は内臓の機能が停止していました)2次会のお店で喧嘩したこともあります・・・(^^;・・・次回にお店に行ったら、ママの顔が引きつってました・・・(^^;
萩原直起さんといって若い頃はイタリアのジレラでオートバイのデザインをやっていて、その後ヨーロッパのメーカーを歴任し、1999年から2000年はSUZUKIのバイクをデザインしていました。で、今は自分の工房でハンドメイドのFRPフレームを使用した高級自転車を作っています。私は、マウンテンバイクのようなメカメカした自転車はちっとも趣味に合わないので、究極のママチャリを欲しかっのです。
そこで、萩原さんのショールームでそうした希望を伝えたところ、自信作のサマンサに試乗させてもらいました。私の感想は、

「デザインはいいけど、走行中のフレームの弾性が好みじゃない」
とか、いろいろと文句をつけていました。そうしているうちに、

「かるばどすちゃん (何度も飲んでいるうちに、こう呼ばれるようになりました。もちろん、本名の名前で呼ばれています) とこに遊びに行く!」
ということになりました。なんでも、自転車を作るにあたり、ユーザーである私をまず深く理解する必要があるということだそうです。
後日、試乗用の新型自転車とともに訪れてくれました。
もってきてくれた自転車は先鋭的なかっこいいデザインでした。まず試乗して、「乗り心地はいいけど、デザインが先鋭的で好みじゃない」という私の感想を彼は聞いていました。私のような仕事 (コンピューターなんです) をしている人に共通の反応なんだそうです。
次に、私のシステムの音を聞くことになり、部屋に入ります。
この人、浜崎あゆみなんて当然知りません。いろいろと話をしていると、ご自身の工房では自身のオーディオシステムも作っているみたいです。それなら、かえって話が早いので、説明無しで、まず聴いてもらいます。

浜崎あゆみ DVD A
浜崎あゆみ DVD A (First DVD)
プロモ映像と本人のコメントが入ってます
連続再生できないというおまけつき

浜崎あゆみははじめてでしょ」

「はじめて」

「じゃ、まずDVDでも見る?」
で、お決まりのアルバムをかけちゃいます。音が出て、映像を見て、彼の反応をちらっと見ました。

「!!!!」

「こうした音、はじめてでしょ」

「なんなんだ、この世界は・・・」

「凄いでしょ」
で、他の浜崎あゆみのアルバムもぽんぽんとかけていきます。
これはもう、オーディオの世界への誘惑です。

「なんて言ったらいいのかわからない・・・凄いな。宇宙から聞こえてくるみたいだ、人生で初めて聴いた、こうした音・・・」

「こうした音の世界を楽しむのが、オーディオなの。でもね、体験しないとわからない世界でサ、普通みんな知らないから、マイナーで根暗で、どうしようもない趣味と思われてんだよね」

「そう思ってた・・・ばかばかしい趣味の奴だなと・・・」

「そうだろうね、実はオーディオを趣味にしているって、あんまり人には話したくないんだ。ホームページには入れてるけどね。でもね、音楽がこう聴けたら、楽しいでしょ」

「なんて言ったらいいのかな、どこまでも精緻だな。よかったら他のアルバムない?、オレこういう電子楽器の音って聴き慣れてなくて・・・」

「なにがいい?」

「アコーステック、Jazzがいいかな」

綾戸智絵 frends
綾戸智絵 frends
どの曲もいいけどTAKE ME HOME,COUNTRY ROADSの録音がすごい
KIMBER AGDL
KIMBER AGDL 純銀のデジタルケーブル

「Jazzかー、泥臭く鳴らしたほうが面白いから、あっさり聞こえるかもよ、そうしたら言ってね、ちょっと音変えるから・・・」
で、何枚かかけちゃいます。

「!!!」

「どう?」

「いけてる・・・音を変えるってどうするの」

「じゃあ、ちょっと例でね・・・こうするの」
私はポンとデジタルの接続ケーブルをKIMBER AGDLに変えます。でも、見ている萩原さんにはなにをしているのかわかりません。なにしろ、機械の裏側のことですから・・・

「?!!ぜんぜん違う音だね、なにしたの、これはこれでいいけど、さっきのほうが好きだな」

「デジタルケーブル変えただけ・・・」

「え??」

「システムのチューニングが進んでいると、ちょっとした変化で音は激変するんだ、面白いでしょ」

「しかし、デジタルケーブルって音が変わるのか?」

「変るの・・・原因についてはいろいろと憶測はあるんだけど、実際のところ本当の理由はわかってないんだ。今の技術ってその程度みたい」

「でも、そう音が変わるんだったら、どうやって音の基準を見つけるんだ?」

「音楽を聴いて自分の中に育てるんだ・・・音の変化は誰にでもわかるんだけど、音の傾向を判断するのは難しいの、いい方向なのか悪い方向なのかがね」

「ジャズならともかく、浜崎あゆみなんてライブでも判断できないだろ、きっと。どうやったらわかるわけ」

「よくわかるね、実は浜崎あゆみのライブは行く気がないんだ。PAの音ってたいしたことないもの。だから、音決め方はよくも悪くもイマジネーション・・・きっとアーティスト本人も音楽制作者も知らない音で鳴ってると思う。電子楽器の音は、再生側が定めるんだ・・・現代のオーディオ最大の課題だと思う」

「とんでもない趣味だな」

とかいいながら、2001年カウントダウンライブのチケットはしっかりゲットしました・・・そろそろライブでも平気かなって、ちょっと思いつつある今日この頃です。
そうこうして2時間もいろいろなアルバムをとっかえひっかえして、音楽を聞きっぱなし・・・最後にシステムの値段を聞いてまたびっくり・・・。

「どう、欲しくなった」

「欲しい・・・でも、高いな。金足りない・・・直ぐに買うには」

「高級車一台ぐらいじゃない、車とかバイクとか一杯持ってるくせに」

「確かにね、絶対に買えないという価格じゃないけど、こうした体験無いと買うわきゃないな」

「ごもっとも。それに、そんなにお金使わなくても、けっこうなシステム用意できると思うよ・・・今度お店に行ってみる?」

代官山XEX
代官山XEXのオープンテラスにて

「じゃ、食事でも行こうか・・・夜、時間あんでしょ」

「いいよ」

代官山でオープンテラスの席をとりました。XEXの会員だけ使えるのですが、べつに料金はかかりません。ビールを飲んで、ピザを食べながら、馬鹿話にふけっていました。
お店はお洒落で、萩原さんもお洒落ですが、私はむさいTシャツ・Gパンです。毎度の事ながら、歓迎してくれるお店は偉いな・・・(^^;
■後日談■

萩原直起さんが作ってくれた自転車は、全部の仕様を萩原さんに預けたところ、すべてが特別仕様となっていました。私は黄色にして欲しかったので、それだけが唯一のオーダーでした。萩原さんは

「黄色は苦手だからやだ」

といっていたのですけどね。工房の人の話では

「かるばどすちゃんは、いい加減なことすると見抜いちゃうし、その上なにを言い出すかわからんから、しっかり作れ!」

と檄を飛ばしていたそうです・・・いやー、よかったよかった。お金を払っただけでは、そうはしてもらえませんからね。引渡し時には

「かるばどすちゃんの自転車見て、同じ物作って欲しいって人がいても、俺断るからねー、覚えておいてよね、大変だったよー」

といわれました・・・(^^;;

FRPのフレームには浮き文字で「CALVADOS」と入っています。

乗り心地なんかについては、こちらをご覧ください。

2001年某月某日 試しの日

LinnジャパンのS部長が、入社するかもしれないという女性の人をつれて遊びにきました。これからのオーディオでは女性の活躍が大切と考えて、S部長もリクルーティングで大変みたいですね。
この来訪には、目的に明快なところがあって、オーディオというちょっと特別な世界で仕事をすることができるのかについて、試す必要があったというのがあります。普通の会社であれば、普通に勤めればいいのですが、Linnジャパンのように小さな会社で、しかも、オーディオの会社となれば、オーディオや音楽が好きか、好きになれる人でないと、とてもやっていける仕事ではありません。私みたいな連中とも話する必要があります。合わなくて、すぐに辞めてしまうならば、しないほうがいいので、オーディオといういかれた?趣味を理解してもらうために丁度いいので、私の家においでよということになったのです。
オーディオという趣味は、女性のファンは特に少ないので、S部長も私も気がかりでもありました。

私のオーディオルーム
当時の私のオーディオルームです

S部長とふたりで入ってきて、部屋を見て驚いています。そりゃそうでょうね・・・。物も多いし・・・しかも、部屋の端にはとてもでかいものが置いてあります。

「これ・・・なんですか?」

「スピーカーなの」

右の写真は、当時の私のオーディオルームの写真です。スピーカーはESP Consert Grand 約1.6mの高さです。

後日にこの女性は、畳みたいに大きなスピーカーだったと印象を話してくれました。

「あたしより大きい・・・・」

「世界で20セットくらいしかないんだよ。で、その中でも日本にある2セットはツゥイーターが特別仕様で、いいのになっているんだ。あ、ツゥイーターって高音用のスピーカーのことで、そこの真中に透けて見えてる奴」

「ふーん」

TacT Millnum MarkII
TacT Millenium markII
世界で初めてのフルデジタルパワーアンプのmarkII
アップグレードしてありました

「でね、これをならす機械が、そこにあるやつで、世界ではじめて開発されたフルデジタルパワーアンプ。それにつながっているCDプレーヤーがS部長の会社のCD-12、使用しているケーブルも違うんだよ、このスピーカーケーブル、太いでしょ」

「なんか、凄い」

「見たこと無いでしょ」

「ない」

「値段もけっこうするんだよ、このシステムで高級車ぐらいは買えちゃう、僕は車の趣味が無いから平気なんだけどね」

「へー」

「じゃ、なんかかけてみようか・・・あ、なんかCD入っているから、このまんま鳴らしてみようね・・・」
で、再生したのですが、私はうっかり曲名とアーティスト名を失念していました・・・、聴きなれてはいたのですが・・・

「えーと、これはね、あれ、これなんだっけかな・・・」

「MISIAのマーベラスでしょ、このアルバム。あたし邦楽聴かないけどこれっくらいならわかるよ、でも、こうして聴くと、ぜんぜん違うね、まるっきり違う。凄いわー」
私もS部長もびっくり・・・だって、曲がわかるだけじゃなくて、いきなり音のことを言い出すんですもの・・・

「音、ぜんぜん違うって・・・わかる?」

「わかるよー、へえー、こういう音なんだー」

「・・・・・!!」
この後、彼女の音楽の薀蓄に、私もS部長もびっくり・・・お話は一転して、聞き手に回ってしまいました。で、結構なお時間、お話聴いて、音楽聴いて、その繰り返しでした。で最後の話題です。

「こんなことにお金一杯使う趣味の人がお客さんになる会社だけど、平気そう?」

「面白そ」

「こうした趣味の仕事である以上、自分でものめり込まないといけないし、そのためには自腹を切ってもそうした趣味始めなきゃいけないけど、そうした覚悟ある?」

「楽しそう。あたし、アメリカに留学してから洋楽ばっかりしか聴かないけどいつも音楽ばっかり聴いてるから、うれしい、でね・・・・・・・・・・」

・・・・・

S部長と私は、あっけにとられながら日は暮れていきました・・・。
こんな具合で、彼女はLinnジャパンに入社しました。

あはは、入社秘話を公開してしまった・・・(^^)
■後日談■

輸入オーディオフェアで彼女を見かけたので声をかけました。

「どう、入社して」

「面白いよ、仕事大変だけど」

「あっちこっちのブースも寄ってみたの?」

「うん、でもねー・・・」

「あれはね、デモ用の鳴らし方なんだよ、華麗に鳴らしたほうがちょっと聴きだと、いいと思う人が多いからしていることで、あれでそのままに評価しちゃダメなの。カラーテレビの色決めみたいなもんだからね」

「そうなんだ。でもさ、うちのKomriは鳴らし方違うもんね。部屋が部屋だからって、わざと置いただけだったけど、鳴らしこみもしていないのに、こんなふうに鳴ってるよじゃない?」

「あ、やっぱりわかるのね、そうだ、買うステレオ決めたの?」

Linn EspecLinn Komri
Linn Espec(左)と、Linn Komri(右)

「はじめはEspekだけ決めたの、で10年計画でKomri買う」

「そりゃいいね、でも10年後なんていわずに、借金して先に買って使ってた方がいいんじゃない?どうせ買うなら・・・お客さんもそうして買うわけだし・・・自分で体験するのもいいと思うよ」

「だって、高いし、今住んでるとこじゃ無理だもん、マンション先に買わないと、だから10年計画なの」

「なるほどねー、ねえ、知ってる?不動産の購入費の10%までは家具とかのために住宅ローンを組んでいいことになってるの。だから、マンション購入時にKomriを買うのが一番楽だとと思うよ」

「へー、そうなんだ」

「ところで、どう、フェアにくる人見てて」

「カタログ集めてる人が多いみたい・・・でもKomriとかイメージカタログでしょ、不満みたい」

「ああ、構造とか技術資料欲しがる人が多いんだ」

「そう、でね、音を聴くでもなくカサカサってカタログもらってくだけなのよ」

「そういう人も多いんだよね、いろいろな人がいるでしょ、この趣味の人って。そうした人にはね、技術資料を20ページくらい、白焼きでいいからホチキスで止めた奴あげると、喜ぶよ。レア物の資料だーとか思うから・・・相手に合わせて資料を用意したほうがいいんだよね」

「そうした人って、ちゃんと買ってくれるのかな?」

「買わない・・かな・・(^^)」

・・・・
と、延々と話し込んでいました。
オーディオで仕事をする人、ひとり増えたなーという実感を感じました・・・
余談ですが、私も試聴のためにKomriを近いうちに借りることにしました。

2001年某月某日 親友ひさびさに来る

某社の某研究所で研究員をしている親友が久々(1年ぶり近く)に遊びに来てくれました。高校時代に放送部の先輩だったので、今でも先輩と呼んでいます。すでに説明したように、高校時代に放送部に入らなければ、私はオーディオの趣味を始めることはなかったと思います。

先輩、ひさびさですねー」

「本当だねー」

「体調は戻りましたか?」

「まだ戻らないんだ、だから音楽の趣味がだいぶ変わっちゃってねー、君きっと驚くよ、最近は癒し系の音楽ばかりなんだよ、聴くのは・・・」

体や心の状態で聞きたい音楽は常に変わるものです。詳しくは、音のカタチをご覧ください。

Linn Sondek CD-12
Linn Sondek CD-12

「忙しすぎるとはいえ、大変でしたね・・・ところで私のところにいらしたの、CD-12来てから初めてですよね・・・」

「ほー、買ったんだ、音はどう?」

「はじめは結構大変だったんですよ、今フルデジタルシステムじゃないですか・・・だからトランスポートとして利用しているんですけど、音のバラツキが激しくて、何回も交換したんですよ。プライベートのホームページにも書いたんですが、結構参照が多いんですよねー、そのページ・・・」

「いつからプライベートのホームページ開いたの?今度見せてもらおう。ところで、ばらつきの原因は何?」

「○○○○みたいですね。まだ確定していないんですけど。実は、初めからそうだろうとは思っていたんですけど、私は素人なので、一応Linnの専門家に確認してもらおうと思って、調査してもらってます。さっきお話したホームページには技術的過ぎるから直裁に書かなかったんですけど、わかる人ならみんなすぐにわかると思ってたんですよ。で、表面的な話題だけ、ありのまま書いたんですけど、そしたら、あんまりぴんとこないみたいで・・・書いてある内容を音の好き嫌いみたいに受けとる人が多いみたいでした・・・。それならLinnがまともに取り合うわけは無いんですけどね」

「そりゃ、普通の人知らないよ。まして聴き分けるなんてね・・・。Linnもはじめは大変だったんじゃない、測定データで説明したわけじゃないんでしょ」

浜崎あゆみ
浜崎あゆみ

「私もこんなに激烈だなんて思わなかったんですよ。理屈では知ってたんですけどけど・・・。浜崎あゆみの音楽の音作りがクリティカル過ぎるんでよくわかったんですが、クラシックとかジャズみたいなアコースティック系音源では音色の違いとしか理解できなくてわからなかったと思います。もう、機種がうんぬんなんて議論、ばかばかしいぐらいでした。このタイプのデジタルシステムの方式的欠陥ですよね、これって・・・」

「方式設計された当時は音質との相関関係があることも、よくわからなかったからね。だいたいさ、人間の感性は凄いんだよね、原子で数個分の厚さの変化を触覚で感じられるくらいだし、耳なんて周波数分析器というくらいの代物だしね。・・・ところでLinnの技術部隊の回答はどうなの?」

「なんか、凄くがんばってくれていて、いろいろな解決策を模索しているみたいです。もう、現行のLinn CD-12はデジタル出力のばらつきの問題を解決できたみたいですね。だからクレームをあげた甲斐がありました。あと、TacTの技術部隊とも検討したみたいで、私専用に対応したCD-12を用意しようかとLinn本社がLinn Japanに提案したらしいんですけど、私の意向をS部長が知っていたので、断ってくれました。よかったです」

「そりゃ、厄介な問題にまじめに対応しているね、大したもんだね。しかし、Linn Japanも間に入って大変だったんじゃない?」

「実は、一応私のほうから事前に話していて、こういう結論が出ると思うから、そうしたら無理しなくていいですよ、と話していたんですよ。調査が進んでからLinnの技術部隊が私が事前に話していたとおりの説明をしてきたので、「それならお客さんはもう理解しているよ」ってLinnの技術部隊に返答したらしくて、かえって驚かれたみたいですね」

「そりゃ、普通はユーザは知らないと思うよね」

「ちょっとCD-12聞いてみますか?」

「是非是非」

浜崎あゆみでいいですか」

「オレも好きだからね」

浜崎あゆみ apperars
浜崎あゆみappears
このアルバムは、「黒あゆ」と言われています
通常のCDです
whatever
WHATEVE再発売版
なぜかHDCDで再発売しちゃいました

で、私の好きなリミックスをしているD-Zを選びました。曲の面白さを別して、目的は2つ、ひとつは音を聞いてもらうこと、もうひとつはこうした音楽の場合に引き起こされるHDCD脚注1のひどさを体験してもらうためです。曲はimmature "D-Z DUAL LUCIFER MIX"、アルバムは2枚、再発売版シングルアルバムWHATEVER(HDCDで左側のジャケット)と、このリミックスが初めて登場したシングルアルバムappears(普通のCDで右側のジャケット)です。
きっと、驚く反応があることを確信していました。

「じゃかけますね、私が一番気に入っているリミックスのひとつなんですよ、これ・・・」
で、WHATEVERimmature "D-Z DUAL LUCIFER MIX"をかけます。

「・・・なんだい、この音は! 曲はいいけど、今のオレには刺激的過ぎるよ」

「でしょー、かなりがんばったんですけど、これよりは鳴らないんですよね。でも、同じ曲を違うアルバムで聞いてみてください」
で、appearsimmature "D-Z DUAL LUCIFER MIX"をかけます。

「え、何が違うのこれ・・・ぜんぜん違うじゃないか」

「先のやつ、HDCDなんですよ」

「HDCD!?なんでそんな風になってるの?日本で製造されているCDプレーヤでHDCDデコーダ搭載している機種、少ないじゃないか。なんで日本でHDCDエンコードしているの?」

「avexの最近発売しているアルバムのほとんどと、Yamahaあたりから出ているアルバム、HDCDなんですよ。HDCDは、デコーダが無くてもあんまり音の変化が無いことになっているでしょ、だからですかねー」

「宣伝文句はね・・・でもちょっとしたことですごく音は変わるんだから、宣伝文句どおりの文句のわけは無いね。」

「よく知らないんですけど、一応LSBを利用して24ビットに伸張するトリガーを入れているんでしょ、でもこの音の変化は凄いですよねー、MDにダビングするとATRACとかなり相性が悪いみたいで、もっとひどい音になるんですよ。だれでもわかるみたいです、いろんな人に試してみたんですけど」

「HDCDの詳細は不明だがねー、しかしavexはなんでHDCDにしているんだろ?」

「音がいいっていう宣伝文句を鵜呑みにしているんですかねー。そうなら専門家としては困りますよねー、売っているアルバム、聞いたこと無いのかなー、avexのマスタリング担当者は・・・」

このときは知らなかったのですが、TacT Millenium markIIにはHDCDデコーダーが内蔵されており、16ビット信号入力時であると自動デコードを行っていることがわかりました。この話をしている頃は、デコードしていないために音がひどいと思っていました。もっとも、TacTの説明では、近年のCDのデジタル出力には18ビットが増えており、その場合はHDCD自動デコード処理を行わないそうです。で、私のところで本当にデコード処理をしているのかは確認中です・・・。

「まあ、ソニーとか東芝がクラシックのアルバムで苦労した時代が無いわけだから、簡単に考えているのかな、マスタリングを・・・。しかし、オレね、後のアルバムでも音嫌い・・・」

「実はですねー、これ聴いてください」

浜崎あゆみ DVD A
浜崎あゆみ DVD A

で、私はファンになったきっかけのDVDを出しました。曲はお気に入りのFly highkanariyaです。

「おお、この音はいいじゃん、普通の音だ」

「でしょー、実はこのDVD見て私は浜崎あゆみのファンになったんですよー。CDのアルバムでは、音のせいできっと無理でしたね、なにしろ、ああした音だったから、今みたいに詰めてない状態で聞くともっと凄い状態になるんで・・・」

「しかし、なんでDVDの音がこれだけまともでCDのアルバムの音があんななの」

「いくつか理由があるみたいなんですよ。さっきの曲はリミクサーのものなんです。で、理由のひとつはリミクサーの使用している設備が、一時代前の水準みたいだからなんです、機能は別として、音の質が・・・。DVDは標準ミキサーのものみたいなんです、きっと立派な設備を使用しているんですよね。標準ミックスの人のだと、CDアルバムを聞いても、音はちょっと?だけど結構ちゃんとしているんですね。もっとも、このDVDのミックス、アルバムにないみたいなんで比較できないんですけど・・・。で、たくさんいるのリミクサーの人たちが水準に達している機器を使用しているはずは無くて・・・音が・・・」

「ああした機器は機能優先で開発されているからね」

「あと、疑っているのは、マスターが96Kで作られていて、非共測脚注2なダウンコンバートがこうした音楽ではちゃんと出来ていないのかなってことなんです」

「いくらなんでも、そりゃ無いんじゃないかい。音質劣化を回避できてるダウンコンバーターは、もうとうの昔に開発できているよ」

「そうなんですよねー。でも、理屈ではけっこう難しいでしょ。で、そうでもないとこのDVDとCDの音質差があんまり説明できないんですよ。いくらなんでもあれが原因でここまで来てるとも思えなくて。だいたい、DVDの音質が一番いいなんてアルバム、理解できないじゃないですか、いくらなんでも・・・。Linn CD-12で問題がエスカレーションした原因のひとつでもあったんですよね。DVDよりも音悪いって、感情的に理解しにくいでしょ、うちで聞いた人で音わかる人は、みんなショック受けちゃって・・・」

「確かにねー、しかし、この音の差の原因、わからんなー、avexの設備、古いのかなー?」

「よくわかんない会社ですしねー」

「しかし、君も大変な努力したんじゃない、まあさ、さっきの音がでればいいんじゃない? こうしたアルバムでさ・・・」

「音楽を気に入っちゃいましたからね・・・音のいいアルバムなら苦労ないんですけどね。オーディオの真骨頂はこうした再生の厄介なアルバムですよね。アーティストや制作側の知らない音を楽しむのが、こうした音楽とオーディオの接点だと思うので・・・他のアルバムも聴かれますか?」
先輩はご自身で持ってきた、たくさんの他のアルバムを聴いていました。そうしたアルバムにもそれなりに、しっかりとアルバムの音を出せたみたいでした。

「いいねー、これだけ音がでりゃ十分だ。アルバムの音、十分に捉えているねー。全部のアルバムが独特な世界を持っているのがよくわかるね」

浜田麻里 Inclination
浜田麻里 Inclination

「わ、ほめられた・・・(^^)・・・、最近は浜崎あゆみのアルバムをちょっと聞くと、浜田麻里ならこう鳴るとか、グラムフォンのフリッチャイのモーツァルトK(ケッヘル)427ならこう聴こえるはずとか、他のアルバムの音が想像できるんですよ。やっぱ電子音楽の再生って、今の時代のキーですね、
どうです、浜崎あゆみのファンになりましたか(^^)」

「だからね、もともと好きさ(^^)」

こんなに浜崎あゆみを気に入っている背景は「風になれ!」をご覧ください。

「ところで、最近のクリスタルケイ、順調ですねー」

私にクリスタルケイを教えてくれたの、この人です。

「うん、いいよね、これからが楽しみだ」

「なんか、彼女はもっといろいろと音楽の経験を深めて欲しいですねー。10年後が凄いだろうなー。若い頃へんな歌い方であたってから、それに固着したような歌手になって欲しくないなー。そういえば、ケイちゃんのアルバムにもそんな曲の感じのが紛れ込んでいて、いやでしたー、その曲だけは・・・」

「君は嫌いなんだねー、なんでなの、でも確かにあのアルバム(ケイちゃんのじゃないよ)も1曲だけだよな、評価できるの・・・」

「あの歌い方がねー、嫌いなんですよ。そういえばマライアキャリーも嫌いだしー。きっとクラシック好きからこうした音楽の好みの世界に入ったんで、ああした発声が嫌いなんですよね」

「俺は好きだよ、みんな」

後日、人と話していて、私がミニーリパートンの歌い方が好きだったことも思い出しました。全く対極の歌い方ですものね・・・。いやはや、歌い方が嫌いなんじゃ、どうしようもない・・・

「ところでさ、ちょっとお手洗い貸して」

「どうぞどうぞ」

Sharp SD-SG11
SHARP SD-SG11
1ビットデジタルアンプのステレオコンポ

BOSE 151 Environmental Speaker

先輩はちょっと驚いて戻ってきました。このころ、お手洗い兼パウダールーム(けっこう広いんです)にはテスト的にお風呂用として設置していたシャープのSD-SG11があったのです。

「ねね、あれ買ったんだー、いい機械だよね」

お店にちょっと寄ったら、デモ機があったんですよ。東京で取り扱いをはじめた直後に行ったらしくて・・・。で、聴いてみたらいけそうなんで、念願のお風呂オーディオ用に買ったんです。東京でもごく初期ロットみたいの、買いました。もっとも、お店での試聴にはけっこういいスピーカーを使ったんですね。で、以前にお風呂用に買っておいたBOSEのスピーカーじゃガラクタで、音の聴きようがないんですけど・・・。だもので、ゼンゼン鳴らしてなくて、お風呂以外の活用法検討中です」

私が話題にしているのは日本で未発売のBOSE 151 Environmental Speakerです。写真は黒ですが、私のは白のモデルです。アメリカでお風呂用として購入しました。BOSE Japanでも音のせいで取り扱ってないそうなので、BOSEファンの人、気を悪くしないで下さいね。

余談ですが、結構前からお風呂オーディオについて真剣に検討しています。今のお風呂にはナショナルのオーディオ設備らしいものが入っているのですが、有線を聴くぐらいの水準で、ちっとも満足できないのです。いつも、ニュースを聞いているくらいなんです・・・。

「俺ね、あの機械、ショーで聴いてショック受けてさ、あれの上位機種あるじゃん、わくわくして試聴したら、そっちは期待はずれでがっかりしちゃった」

「えー、今度何週間か借りることにしてるんですよー、楽しみにしてたのになー」

「自分の家で聴いたら違うかもしれないじゃない」

「そうですね、期待してよう」

「しかしねー、SHARPは、なんでなあの機械だけは音がいけるんだろうね。あれが作れれば、もうちょっと音、何とかできるはずなんだがなー、組織的な理由ではないなー」

「あれ、オーディオ評論家の浅沼先生のアドバイスで作ったみたいですよ」

「ほー、詳しいね事情に」

「いや、私も値段の割にクオリティが高いので驚いたもんで、いろいろと話しを聴いてみたんですよ、あの機械について・・・近年の大ヒットみたいですよね・・・。この音なら、浜崎あゆみもそこそこ鳴らると思うんですよね、スピーカーを選べば。もっともシャープでは売り方に困ってるみたいですけど」

「そりゃそうだろうね。置いとけば売れる時代じゃないしナー。しかし、評論家の先生もたいしたもんだね」

TacT Millninum
TacT Millenium mark II
Equibitテクノロジーは、CDのようなリニアPCMでスピーカーを直接駆動できますから、デジタル入力でそのまま使用できます

「実に・・・しかし、なんですね、アナログ入力のデジタルアンプって、変な気がしますね」

SHARPは刄ー(デルタシグマ)方式の1ビットアンプなので、アナログ入力からデジタル化する以外には、専用の変換システムを使用しないと、ビットストリーム方式のソースがないと実現できません。このコンテンツを書いた時点ではまだリニアPCMからビットストリームに変換するチップは開発されていませんでした。まあ、方式が異なるので当たり前です…この話題は、気分の問題ですねー。

「売る側からすると気持ちはわかるけどね。君が使用しているアンプみたいなデザインこそ、勇気がないと作れないんじゃないの・・・理解してもらえるかわかんないじゃん」

「そうですねー、先輩の会社じゃデジタルアンプはやんないんですか?」

「オーディオは担当してないからわかんないな、オーディオ協会の協議会には入ってるけどね」

知っててもいえない立場の人ですけど・・・平気で尋ねちゃう私も私ですね

XEX 代官山のお寿司
XEX代官山のAnでお鮨

「今日聴いてもらった件からしても、デジタルアンプの開発は大変ですよねー。10年遅かったですね、このテクノロジー。その時代だったら、フォーマットも複雑化していなかったから開発も簡単でしたよね。TacTはいつになったらDVDオーディオとかSACDに対応するんだか・・・ヨーロッパ人ってのは標準化が終わんないと開発しないんですよねー、国民性ですかねー」

・・・・・・・・

すでに説明しましたがこのときは、TacT Millenium MarkIIにHDCDデコーダーが内蔵されていること知らなかったので、よけいフォーマットの話題をしていました。
(だいたい、日が暮れるまで話し込んじゃうんですね、こんな風に)、代官山でお鮨を頂きました。久しぶりだから、奮発してしまったのですね。
しかし、親友との語らいは、いいですねー。

■コメント■

習慣とは恐ろしいもので、関係はもう対等なのですが、話し方は先輩/後輩のそれですねー、書いていて感心しました。

2001年某月某日 オーディオショップの人来る

お店に依頼していたところ、シャープのデジタルパワーアンプを試聴の為に持ってオーディオショップのk氏が久々に私のところに訪れてくれました。

「私、かるばどすさんのお宅にお邪魔するの、以前にお住まいのお宅以来です」
「あれ、そうでしたっけ、じゃKRELL Apogee時代ですよね」

「そうです」

「じゃあ、本当に久々ですねー、5年以上経つってことですね」

「もう、そんなになりますか?早いですね」

「ほんとに」

「うちでCD-12を聴くのも初めてですよね、早速聴いてみます?」
なにげなしに、CD-12に入れっぱなしだった浜崎あゆみをかけてみました。

「おお、すごい、こうやって定位するんですね、こんなにくっきりした音なんだ、すごく明確ですね」

「そうした音がするって確信してたんで、追求したんですよね、けっこういけるでしょ。この前先輩が遊びに来たときも、それなりに感心してたもん」

「あ、いらしてたんですか、お元気でしたか?」

「なんか、体調を崩しちゃって、復活中だったんですよね」

「ご無沙汰してるんですよー、AE2リミテッドの設置以来・・・」

浜田麻里 Inclination
浜田麻里 Inclination

「そうだ、昔の家の音知ってるんだから、浜田麻里がいいでしょ(^^)」

「そうですね、かるばどすさんといったら、もう、浜田麻里ですものね」

「ここのところの鳴ら込み後にかけるのは初めてだけど、自信があるんだ」
選んだ曲は、浜田麻里のアルバムで一番録音が気に入っている、Inclinationのdisc 2 Cry For The Moonです。私のとこで浜田麻里を聞いて気に入って、このアルバムを買った人、けっこういらっしゃいます。そして、私のところで浜田麻里といえば必ず聴かされちゃうのが、この曲、Cry for the Moonなのです。
昔のKRELLのシステムは、浜田麻里のために改善の道を突き進んだといっても過言ではありませんでした。そもそも、浜田麻里がまともに再生できないために、KRELLにシステムが全部入れ替わり、スピーカーがApogeeになったのです。その頃は、暗中模索で、なにをやっても手探りのためとても大変だったので、クラシック音楽で満足していた時代が懐かしかったくらいでした。
かけてみたら、やはり思ったとおり、ぞくぞくっとするほど聴かせてくれます。やっぱ、浜田麻里はいいなー。

「おお・・・すごい」

「いけてるねー、思ったとおりに鳴ってる。最近ね、浜崎あゆみの再生音でシステムの音の傾向、わかっちゃうんだ、でね浜田麻里ならこう鳴るはずとか、だいたい・・・」

「聴き込んでますねー」

「いろいろやってわかったけど、CD-12は電源の影響すごく受けるねー、デジタルパワーアンプと一緒で・・・。こんなに電源を追い込んでまで再生したこと無かったから、大変だったよ。結局壁コンセント内の配線も手を入れたんだ」

「どうしたんですか?」

WATTGATE 381
WATTGATE 381 オーディオグレードコンセント
KRELL KRC-2
KRELL KRC-2
LUXから保守用のヒューズを別けてもらって使用していました> 後日に担当者が変わり、KRELLから取り寄せ出来なくなり、困りました…(^^;
オーディオメーカーでもヒューズの音質がわからないんでした…(^^;

千と千尋の神隠し
千と千尋の神隠し

「配線の末端処理が音に強く影響してたんだ、WattGate381にしてから、よくわかった。結局ね、スピーカーケーブルの末端処理のミスがあったときと同じ音がしたりしたんだ。もう、こうなっちゃうと、行き着けばKRELLの時と同じ問題になるかもね。あの時は、ヒューズの音の比較して組み込んでたから、CD-12もそのうちしようかな・・・」

「え、KRELLの時はそこまでしていたんですか?」

「うん、ラックスのA部長と仲良くしてたから、補修部品用のヒューズをいっぱい譲ってもらってね・・・なにしろ日本で手に入る遅延ヒューズでは品質的に問題があって、音がダメだったんだ。KRELLの補修部品はKRELLのファクトリーから全部送られていたんで、正規部品だったの。そういえば、Sさんもよくヒューズの交換してたよね、昔・・・」

「お店のほうも、かるばどすさんのお話うがってから、電源をぜんぶチェックしているんです。だいぶよくなってきました」

「電源がらみの鳴らしこみは時間かかるもんね、結局施工後の癖を覚えなきゃいけないから」

「そうですね、いやー、場所柄か電源の質が悪いんで、大変ですよ」

「そうだろうね」

「別な曲かけてみようか」

「そうですね」

「この曲知ってる?」
私がかけたのは、「千と千尋の神隠し」の主題歌、いつも何度でも、です。こうした曲がヒットするというのは、日本も捨てたものじゃないなーと思います。なにしろ、とても長い間オリコンで10位以内に入っています。

「知ってますよー、でも、ぜんぜん違う聴こえ方です。こうした声だったんだ・・・いいですね」

「いいでしょー、この曲好きなの。日本で2001年で一番の曲は、これだと思う。それに、この録音、比較的いいんだよね。日本の録音って、綾戸智絵を録音しているONKIO HAUSもそうだけど、いい水準いってるのも多いよね」

「そうですね、綾戸智絵の録音もいいですよね。この録音もいいなー」

「あの映画、この曲だけ録音がぜんぜん違うんだけど、日比谷スカラ座がDLPでやっているじゃない、あそこ、音もいい線いってて、劇場でも録音の違いくらいならわかるんだよね、Sさんもそれで驚いている人が多いっ話してた・・・」

「そうですね、評判いいですよね、あの劇場」
久々なので、話が弾みます。

「そろそろ、アンプ、取り替えてみようか」

「はい」

SHARP SX100
SHARP SX-100
刄ー方式の高級機でした…音は…ね…(^^;

シャープのSX100が梱装を解かれます。

「あれ、これって新型じゃないんだよね」

「あ、SX200はまだできてないんですよ」

「誤解してた、でもうちで聴いたこと無いから、楽しみなのは変わらないね・・・ところで、どれっ位借りててもいいの?」

「2週間ぐらいは大丈夫です」

「うれしいな・・・・・、ありゃ、入力端子がこれなんだ、面白いねー、専用の端子作ったんだねー、でも、困ったな、ケーブルが合わないや。このバランス入力はアナログ用?」

「そうです」

「そうだ、思い出した、この機械、デジタルパワーアンプなのにアナログボリュームなんだよね、一応、デジタル入力はあるんだよね」

「ありますよ」

「よかった。でも、このボリューム、どうゆうふうに機能してんのかね、ずいぶん昔、オーディオフェアで発表されたときに見たんだけど、なんでアナログボリュームがあるのか説明してくれる人がいないときだったんで、質問しても答えてもらえなくて、いまだについている理由がわからないんだ。もしもデジタルアンプでアナログボリュームが入力段にあるとすると、意味がないと思うんだけど・・・信号に対する有効ビット数下げるから解像度下げるだけだもんね・・・ボリュームの音も避けられないし・・・ま、音がよけりゃなんでもいいけど・・・」

TacTとは違う動作みたいですが・・・」

「ふーん・・・接続できるケーブル探してくるね」

ボリュームのような受動部品は、音の作り方に決定的に影響します。KRELLのようなアナログアンプの場合は、ボリュームに相当する機構は必須なので、音と全体のデザインに決定的な問題になります。私がかつて使用していたKRELL KRC-2は高性能なアナログスイッチを使用することでボリュームという部品を廃止しています。KRELL KRC-2以降こうした方式は各メーカーで一般的となり、ハイエンド機器ではボリュームという部品そのものは使用されない傾向があります。TacTの場合は、PWM変換脚注3の仕方の変更により、高精度に出力が変更できるようになっており、ボリュームという部品は信号系には存在しません。出力段の電源電圧が変わるだけです。
TacTで使用していたのと異なるデジタル入力なので、そのままにケーブルのつなぎかえではできません。別室にとっておいた、フルデジタルシステムに移行してから使用しなくなったKimber AGDLを数箱とオーラルシンフォニックスのSTリンクケーブル持ってきて、再び設置します。

「困ったねー、CD-12の出力がBNCかバランスじゃん、BNC-BNCはうち、用意していないんだよね、変換アダプターつけたくないし・・・よし、KRELL MD10で鳴らしてみようか、あれだとRCA出力とSTリンク出力あるから、今のケーブルでも鳴らせるね、ケーブル方向性の問題無しに」

ケーブルには信号の受け側と送り側があり、これをケーブルの方向性といいます。ですからケーブルには、信号の送り側と受け側に使用することが明示されています。もしも、逆にケーブルを使用すると、音がかなり劣化してしまいます。

また、私が持っているKimber AGDLは特注でBNC-RCAになっています。

「そうですね」

「この足、ラックとか傷つけちゃうね。そうだ、TAOCの平たい奴余ってるから、置いてみようかな。しかし、この機械、足が短いから設置大変だねー、インシュレーター入れにくいね、足が短すぎて・・・」
TacTを取り出して、同じ場所に設置しようとするのですが、ケーブル長の関係で簡単ではありませんでした。

「うー、設置しにくい・・・よし、面倒くさいから、まずちょっと鳴らしてみよう、床に置いちゃおうか、音の傾向はそれなりにはわかるし」

「そうですね」

「スピーカーケーブル端子合うかな・・・WBTはスプレッドのサイズ2種類あるから、合わないと入らないもんね・・・よかった、合った・・・電源はそのままCD-12TacTに同じにしようね」
で、早速鳴らしてみます・・・。

「・・・・」
「・・・・」

「あれ、この機械、リモコンないの?」

「ないんですよ」

「リモコンが使えないハイエンド機って、まだあるんだね、主義に合わないな」

「そうでしたよね、かるばどすさんはリモコンが無い機種は使わないんですよね」

「うん、音楽聴きにくいもん。配置が自由に出来ないし。パワーアンプでもリモコンで電源が入らない機械はイヤ。だからKloutは検討外だったの、昔。CD-12は、しようがないから電源切ったこと無いもん・・・しかしなんだね・・・」

「・・・・」
「・・・・」

「ラックにいれよう」

「そうですね」
がちゃがちゃと苦労してラックに入れました。
で聴いてみます。

「・・・・」
「・・・・」

「先輩がね、言ってたんだ、この機械の音作り、ちょっと違うんじゃないかって・・・たしかにそんな感じだなー」

「ちょっと強烈ですねー、詰っている環境だと、癖が出ちゃいますね」

「あのさ、ごめん、置き方練ってないとはいえ、MD-10の音が全くしないんじゃ・・・なにをかけても同じ傾向の音になっちゃうし・・・悪いけどさ、こりゃ、時間をかけてもダメそうな気がする・・・もって帰ってもらおうかな、折角もってきてもらったんだけど・・・」

「そうですね、実はかるばどすさんが仰らなくても私から言おうかと思いました」

「SX200はかなりよさそうなんでしょ」

「浅沼先生のお話では・・・」

「じゃ、デモ可能になったら持ってきてね、この機械じゃちょっと無理だけど、きっと音作りの問題だと思うから」

「はい、お持ちします、今日はオーダーいただいていたCDラックも持ってきているんですが」

「すいませんねー、浜崎あゆみのアルバムがジャケット凝ってるの多いんで、主義を曲げてジャケット保存するようにしたらすぐに一杯になっちゃって・・・DVDもかさばるし」

「DVD用に組みましょうか?」

「自分でやるので、CD用にお願いします」

「はい」
組んでもらったQUADRASPIREのCDラックは2つ目です。並べて置いたら結構雰囲気がいいので、気分よかったです。

XEX 代官山のお寿司
XEX代官山のAnでお鮨

「久々だから、食事でもいこうか・・・ご馳走しますよ。代官山にいいお店ができたんだ」

「はい、ありがとうございます。あ、そうだ、かるばどすさんが希望されていたように寝室でテストできるようにTukAnお持ちしたんですよ。ちょっと聴いてみてください。以前おっしゃっていた、ベッドサイドシアターも面白そうですね」

「いつもベッド入って、なんか物足りなくて。昔はKRELLのシステムと一緒に寝ていたじゃない、よくかけっぱなしで寝たんだよね。でも、マンションの寝室だと、低音がベッドの中だとこもるんでさ、鳴らすの諦めたの。で、シャープのSD-SG11で再挑戦しようと思って・・・低音量領域じゃ苦しそうだけど、パワーが出る機械でもないしね」

「是非試してください。ちょっとの期間は大丈夫ですので・・・」

「・・・あれ、これケーブルは・・・、うち、バナナーバナナ無いんだよねー」

「そうでしたっけ、じゃ後ほど」

「すいませんねー」
で、代官山に移動して、夜遅くまでお寿司に舌鼓を打ちました・・・。

■後日談■

スピーカーケーブルにK400を借りたんですけど、ケーブルの音がだいぶするので、KIMBER BiForcal XLにしてみようかと思う今日このごろです。なんか、価格のバランスが取れてないなーという気もするけど・・・。

ベッドサイドオーディオについては、別にちゃんと特集予定です・・・請うご期待・・・え、期待なんてしてない・・・だから「請う」ってんです・・・あははは。

後日談の後日談ですが、KIMBER BiForcal XLをKomriドライブ用にもう1セット購入しました。で、今までのシステムに使ってしまいました・・・(^^;

■書きましたよ、ベッドサイドオーディオ!■
オーディオの遍歴 特別編 いける音は遠くない・・・をご覧ください

2001年某月某日 親友よりコンサートのお誘い

家で仕事をしている夜、親友から電話がありました

私は家で仕事をしていることが多く、そんな時は24時間お仕事モードになってしまいます。通勤時間が無いことを考えると実仕事時間は、結構長いんですよね・・・。独身だからできる仕事のやり方と多くの人からからかわれています。家族いたら・・・仕事はできないだろうな・・・部屋にこもらないと・・・。

「今ね、○○のコンサートが終わったところなんだ」

「へー、そうなんだ、どうだった」

Kurt Masur
Kurt Masur / クルト・マズア
ライプツィヒ・ゲバントハウス管弦楽団の指揮者だった時からのファンです

「まあまあだったね、ところでさ、マズアがロンドンフィルを連れてくるって知ってた?」

「知らない、ほんとに?」

「オレもね、チラシを見た気づいたんだよ、東京は何日かあるけど、ベートーヴェンの第九とドボルザークの第八、やるよ、別々な日に」

「おおー、最近の割にメジャーな曲やるねー」

「いや、クラシックって人気凋落の一途辿ってるから、そうでもないかもよ、どう、チケット買っとこうか?」

「じゃ、第九買っといてよ」

「OK、先輩の都合も聞いといて」

「ん、メール打っとく、最近忙しいみたいだからさ・・・。しかしなー、マズアは久々だねー、今度こそ聴きにいくぞ!」

「確認の電話いれたげるよ」

「ありがとー、しかしなんだね、浜田麻里浜崎あゆみもコンサートには行こうとしないけどクラシックだけは行きたくなるねー」

「いいんじゃない」

「もうマズアもいい年ジャン、そろそろ聴けなくなること考えないとねー」

「今年で70じゃないかな、よく東欧の自由化の中で生き延びれたよね」

・・・・延々と話しています・・・・

クラシックのチケットは何ヶ月も前に買うことが多くて、忘れっぽい私はコンサートを忘れて仕事してたりとかが多く、もう何回コンサートに行きそびれたか知れないところがあります・・・(^^;。マズアのコンサートを逃したことだけでも3〜4回あるかも・・・チケット買ってるのに・・・。

クルト・マズアはライプツィヒ・ゲヴァントハウスオーケストラ時代からのファンで、私も親友も20年以上のファンです。マズアは東欧出身の指揮者ということもあり、日本では売り出したい指揮者ではなかったので、日本の音楽評論界からの評価は高くありませんが、私も親友もそうした音楽評論のほうがおかしいと思っているところがあります。音楽評論を読んでわかった気になっている人って多いのですが、クラシックファンなんてそんな傾向強いと思います。もう亡くなりましたが、ジョージ・ショルティ(日本ではジョージ・セルと混同を避けるためゲオルグ・ショルティといわれていますけど・・・)のファンでもあります。
後日、先輩からemailの返事がきました。

「パイオニア合唱団のやつでしょ、ゴメン、その日は約束が入っててダメなんだ」
で、誘ってくれた親友に電話します。

「先輩知ってたよ、この日はダメなんだってさ」

「そう、じゃ君の分と一緒に買っとくわ」

「よろしくー」
コンサート当日
親友からは約束どおり確認の電話がありました。
私は私で、スケジュール表に書き込んでおり、全部のアポイントを外してました。もう、準備万端です。

サントリーホール
サントリーホール出来て以来、ずっと会員やっています
ホールの外には、バーやカフェがあります。
サントリー 響
サントリーの「響」はもともとはサントリーホールで
提供されていたものが市販されたものです。

あいにく当日は雨、でも気にせずにサントリーホールに行ってから、外のカフェでビールを飲みながら開場を待っていました。クローネンブルグを飲んだのは、何年ぶりでしょうか?
開場後、入り口でチラシのセットを断り、荷物をクロークに預けてから、バーでサンドイッチとサントリーの響をストレートで楽しんでいました。
バーで見ていると、緑色のチケットでワインなんかをもらっているお客さんが結構います。私はサントリーホールの会員なので、サービスチケットはいろいろともらっているのですが、見たことの無いチケットですので、きっとスポンサー企業の発行しているチケットだろうなと思い、見ていました。

サントリーの響は、サントリーホールを記念して作られたピュアモルトウイスキーです。あまりサントリーのウイスキーは好きではないのですが、山崎くらいのグレードからは飲むことができます。響くらいになると、結構おいしいですね。
席はどうせ指定です。親友とは、席についていれば会えます。
親友は、開場後ちょっとしたからやってきました。

「ほら、ちゃんとオレ来てるよ」

「偉い偉い」

「なんか、お客さんすくないねー」

「マズアだからだろ、あんまり評論界は評価してないからね」

「そうなんだ」

「まあ、売りたい人だけ評論しているからね、いつも」

「そんなに評論て影響してるの」

「してる、してる」

「ところでさ、今日の独唱陣、日本人が多いじゃん、大丈夫かね」

私は当日まで誰が演奏するのかチェックしていませんでした。当日になればわかるからという感覚なもので・・・

「プロだから、なんとななるんじゃない」

「パイオニア合唱団て、パイオニアの合唱団なんだね」

「そう、アマチュア合唱団なんだ、ここ5年くらいコンサート活動しているよ」

「ふーん」

「ロンドンフィルは、オレ好きなんだよ、指揮者のカラーに敏感に反応するんでね・・・マズアの良さが出ると思うよ」

「この席さ。君がちょっと問題だと思うっていてたけどさ、第一バイオリンがまっすぐだから結構いけるんじゃない」

「そうかな」

席は1階の18列36番(だったかな)、結構右側でコントラバス側です。でも、楽器の方向性で見ると、第一バイオリンが真っ直ぐ、コントラバスは真横に見る席でした。ですから、コントラバスの音、直接音が少なくなります。つまり、ちょっとやせた聞こえ方になり、第一バイオリンがちょっと強調される傾向の席です。

「やっぱ、サントリーホールは音やせてるねー」

「そうかな、日本のホールとしてはいい方だと思うけどね」
演奏が始まります。
第一楽章、マズアの解釈は、昔の解釈を大きく進めていることがわかります。ロンドンフィルの演奏は安定しています。初めの曲がいきなり第九でどうなるのか心配していました。第一楽章は危ういだろうなと思っていたのですが、十分に楽器も温まっているようですし、演奏家も準備万端だったようです。

演奏を始めたばかりでは、楽器の温度の変化や演奏家自身の安定度が無いため、演奏そのものに不安定さが伴うものです。ですから、事前に準備をしないで演奏する場合であれば、前奏曲みたいな小曲をいれて、脂が乗ったところで、本曲に入るというのが定石となります。
この解釈は、昔のマズアの解釈のような、深遠な森から聞こえてくるようなものよりも、ずっと明確に演奏しています。でも、この方が非二元的脚注4なベートーヴェンの世界観に近いかなーとも思いました。第一楽章のその解釈に感銘を覚えましたが、ちょっと気になる点がありました。

「ティンパニの位置、もうちょっと高いほうがいいね」

ティンパニはもともと音が上側に出る傾向の楽器です。それが最後列に配置されているときに、直接音があまり聞こえなくなるので、上方の反射音の質が問題になりますが、サントリーホールは上方の反射音の質に問題が若干あります。ガラスが設置されてだいぶ改善されたのですが、ちょっとやせた反射音になる傾向があるので、一階席で聴ける音、ちょっと問題になります、この場合のティンパニは・・・。
第二楽章は、必要以上の熱狂が抑えられたもので、第一楽章と印象が近く演奏されています。マズアが非二元的印象を与えるように配慮しているように、強く感じました。
第二楽章のと第三楽章の間に独唱陣が入ってきます。第四楽章が第三楽章と切れ間無く演奏されるのでしょう、マズアの解釈らしいですね。
第三楽章に至り、感極まってしまいました。第一楽章から第三楽章に至るまで、全く違う曲想を、一貫した背景を与えるように組み立てられた演奏は、はじめてでした。もう、途中で涙が止まりませんでした。第三楽章でこれだけ感動したのは、これがはじめてです。

「すごいね、この第三楽章・・・」

「うん、すごいね」
第四楽章が、あまり間をおかずに始まります。
曲が進むうちに、心配になってきました。日本の音楽家って、解釈についてのわからんちん、多いんです。マズアの解釈についてこれるのだろうか・・・
バリトンの独唱が始まりました。ああああ・・・この馬鹿、解釈も何もなしに、一生懸命歌ってる・・・声もたいしたことない・・・すばらしい演奏も、これで台無しです。

親友から後で言われたのですが、私は見るからにがっくりしていたそうです。
独唱陣は、女性とテナーはともかく、やっぱ、こんな馬鹿がいると、がたがたです。
もう、第九どころではありません。合唱陣も元気に歌うし、楽しそうです。あははは・・・音楽かね、これ・・・・
マズアは大したもので、最後まで解釈を崩さずまとめていきます。アホなバリトンと、楽しそうな合唱団を残して・・・・

XEX代官山

実は、ライブを聞いて一番エキサイトするの、クラシックなんですよね・・・ここにはとてもかけないような話題を延々と話しながら、外に出ました。そして、お腹が空いていることがわかりました。

「ね、お腹すかない」

「そうだね、なんか食べようか」

「なにが食べたい?」

「イタリア料理かな」

「代官山にさ、いい店ができたんだ」
今日もまた、夜は深まる
代官山XEXでイタリア料理を食べながら、音楽と哲学、そして時事問題の話で盛り上がり、お洒落な女の子達の間で別世界を作り上げて盛り上がっていました・・・・

今日もまた、友来たりて日は暮れ行く・・・

■書いてみて■

うーん、ここのところ代官山XEXを使いすぎかな・・・
値段の割に、内容と雰囲気がいいんですよね・・・
あと、こうして書いてみると、人が音について語る言葉って、ボキャブラリー少ないみたいですね。オーディオ評論家みたいに話す人、少ないし・・・。でも、自然でいいですかね・・・

脚注1

>HDCDとは、High Definition Compatible Digitalの略称です。
20bitのデジタル信号を、16bitの既存CDフォーマットにエンコードするための技術です。信号のLSBを巧みに使い専用デコードLSIを使用して処理します。もしもHDCD専用デコードLSIを内蔵していないCDプレーヤであっても、あまり音を損なわないと規格を作成している側は主張しています。たしかに、アコーステック系であればある程度言えるのですが・・・。
素直な話し、私は浜崎あゆみのアルバムをHDCDにしているのは誤りだと思います。その理由は、以下のとおりです。

HDCDプロセスを通さない場合の音が、電子楽器に合っていません。そして、多くのCDプレーヤは対応していない。HDCDの非プロセス音が比較的自然に聞こえるのは、アコーステック系音楽に限られてます。

モバイルオーディオで使用するために、MDなどでATRAC2/3やMP3に変換した場合のHDCDの音は、より変になってまいます。壊れたCDみたいな音になり、音楽の良さを大きく減退させます。

頼むから、闇雲にHDCDにすんの、やめてくれ〜

脚注2

この場合の非共測という用語は、数値系で、相互に表現できない系の関係を指しています。この話題は44.1KHzPCMと96KHzPCMのデータが対応できない点があるため、本質的に変換が難しく、簡単な数値処理ではない聴感的な問題を解決できていると思われる変換についてです。この用語は、いろいろなときに使われます。良く使用される場合は、小数点以下の数値をコンピューターが表現するときに、10進数と2進数が非共測である、なんてです。十進数で0.3は二進数では表現できず0.299999・・・になっちゃうんですよね。簡単な数学の話題なのですが、コンピュータの専門家でも忘れている人、いるんです。

脚注3

現在はTIが特許権等を保有している変換方式です。
TacTは初めに開発したToccata Technologyからライセンスを受けてMillenumを開発しています。この方式を開発したToccata Technologyは、その後にB&Wに買収され、TIに転売されて今日となっています。十数人の会社だったから、日本の会社が買えばよかったのにね・・・。TIは賢い。いろいろと専用ICを開発しています。Millenumは最終段のスイッチング素子をtiが開発した専用icよりも、より高速の384KHzでスイッチングしており、さらにパルス幅を256段階に分けることで、等価的に90MHz以上で駆動するのと同等な出力のリニアリティを実現しています。内部の演算速度は、それに対応するようになっており、超高速汎用DSPプロセッサが組み込まれています。シャープの変換方式は、パルス幅制御が含まれてない・・・みたいですね・・・良く知らないですが・・・あまり方式に興味が無くて・・・。PWM変換は、現実的な変換方式で、なかなか賢いのですが、現行のスイッチング速度は今の基準からするとかなり遅いので、終段のローパスフィルターは極めて重要です。Millenumには懐かしのjensen(トランスの技術は一流ですぜ)が開発したローパスフィルターが組み込まれており、その音決めに重要な役割を果たしています。

脚注4

この用語はインテグラル・セオリーの世界でケン・ウィルバーが使用している用語です。ベートーヴェンの時代には存在しない用語なのですが使用した背景があります。

ベートーヴェンがグノーシス的な世界に親しみながらも独自の世界観を擁いていたことは良く知られています。彼の世界観は音楽そのものに現れているのですが、音楽には解釈が伴うので、ある程度の補完的なコメントが多いと理解しやすくなります。第九にはそのようなコメント的メモ書きが少ないのですが、多く残されているものの一つにミサ・ソレムニスOP-123があります。この最終楽章アニュス・デイ(ラテン語で神の子羊の意)は、消え去るように終わることで有名なのですが、ベートーヴェンの残しているメモ書きにその理由が説明されています。「聞いている人の中で響きつづける・・・」というそのメモ書きがあります。アニュス・デイ(キリスト)に対して平安を怯えながら求める人々の声、パーチェム(平安)という声が、天から降り注ぐように変わっていき、パーチェムが人から離れたことは無かったような展開を示して、消えるように終わっていきます。ここには、彼の非二元的世界観が現れています。一般的なグノーシス主義の場合、二元的なので、ベートーヴェンが独自の世界観に到達していたことがわかります。