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映像のマスタリングもやばいですね・・・千と千尋の神隠し

2002/7/25,26,8/4,9/21

このコンテンツを作成してから、しばらくして、北京に訪れました
宿泊したホテルで、NHK BS1、NHK BS2、NHK HiVisionが見れました。なんと見放題です。当然ですが、中国のホテルのテレビではデジタル・ハイビジョンは無理です。このテレビは、チャンネルを切り替えると「自動 6.5MHz」と表示するので、デジタル方式だと思うのですが、この帯域ではHiVisionは無理です。で、ダウンコンバートされていると思うのですが・・・あはは、画面が全部赤っぽいんです。人の顔なんて、ニンジンみたいな色です。この話題って、ここでご説明しているのと同じ理由です。コンバートの回路が、お馬鹿なんですよね・・・(^^)
余談ですが、これらの中国で見れる番組は、適切な契約により見れているとは思えません。NHKには無いはずの、海外での映像放映権をともなっているであろう絵が、出ているからです。なんでNHKは、国家を挙げた盗聴(中国の企業は、ある規模を超えれば、最後は突き詰めると国家が出てきます)に、知らん振りしているのかなー(^^?・・・知らないってことないでしょうに・・・。建前は、海外放送受信ということなのでしょうが・・・。
だいたい、そうした地域外の視聴が出来ないと自慢して開発した衛星なんでしょ・・・あと、韓国でも見放題じゃないか・・・なんで、NHKの放送料は日本人だけ負担させられるのだろうか・・・。いつも年払いで払ってるけど・・・。

2002/9/21

とても絶妙にマスタリングしているのが仇に・・・

7/24にインターネットの新聞を見ていたら、千と千尋の神隠しのDVDの映像が赤っぽいとネットワークで盛り上がっているという話題を読みました。で、見てみたら、確かにそうでした。
人によっては、かなり赤い色になっているみたいですね・・・、ははあと思ってしまいました。
実は、私はCDの枚数と、DVD+LDの枚数がほぼ同じでして、映像が大好き人間です。
なにしろ、プロジェクターの色再現性(かなり高価な液晶プロジェクターでも、再現色数が少ないこと、あまり知られていません・・・)が気に入らなくて、気に入る性能のpdp(今はPioneer HD503HDを使用しています)が発売されるまで、クリアビジョンテレビを使い続けていたほどです。画面の大きさだけでは、いやなんですね・・・。
で、映画はなかなか好きでして、自分の家で好んで見ます。映画館の画質で気に入って行くのは、dLPで上映している映画館ですかね・・・。
千と千尋の神隠しを劇場で見たのは、2001/7/29でした。なにしろ、旅の記録に入っていたので、正確です・・・(^^)
日本初のdlpシネマ作品をdlp劇場で見ました。当時、日本でdlpをそのまま上映した映画館は少なく、東京では私の見た日比谷スカラ座だけだったと思います。
絵を見たときは、なんてジブリらしい映画なんだーと感心してしまいました。これは、いろいろな意味があるのですが、特に感心したのは、ジブリがこだわる色使いです。この映画、白がほとんどない映画でした。雲の色くらいですかねー、白らしい白は・・・。
上にパンフレットのデジタル化した絵を入れてありますが、タイトル文字、白ではありません。ちょっと赤っぽいんです。ご覧になられている画面で、真っ白に見える場合は、お使いのシステムのカラーが32bitフルカラーではないのではないでしょうか?ビデオモードが32bitフルカラーでも、使われているディスプレイが液晶なんかですと色再現性の関係で、そう見えない場合があります(あまり知られていませんが、コンピューターディスプレイもずいぶんと再現色が端折られている機種が少なくありません)
で、私が見た映画館は、その色を正確に再現していました。きれいでした。意図的に赤系統の色に特徴が与えられていました。
実は、昨日このDVDを自宅で見ていました。
感心したのは、そうした色調の雰囲気をうまくDVDにしていることでした。
ただ、私の使用しているシステムは、映像もフルデジタルに近いんですね・・・。唯一のアナログ部分は、DVDプレーヤーとPDPを結ぶ、D端子ケーブルだけです。

D端子は、アナログなんです・・・
知らない方もあられると思います・・・ 私の使用しているシステムについてはこちら

あまり知られていませんが、DVDは再現できる色調がかなり限られています。年を追うごとに向上しているのですが、それもあまり知られていません。
でも、そんな背景があるために、ライセンス料を支払っていない1台1万円くらいの中国製DVDプレーヤーから、私が使用している35万円もする日本製DVDプレーヤーもあるわけです。
つまり、DVDといっても、ずいぶんと色の再現性には差があります。
このような違いは、本質的には、絶妙な差がある色を明らかにするぐらいの違い・・・のはずだったのですが、そうした絶妙な色の違いでは済まなくなってしまったのが、千と千尋の神隠しの映像だったのでした。

状況はこんな感じ

以下に、Mainichi Interactive 7/23に記載された記事「■「千と千尋」問題 本編だけ色調を調整したため「違和感」? 」の一部を転載します。
■■「DVD自体は制作者公認の原版に忠実」と販売元
 苦情の中身を総合すると、映画本編のディスクと予告編のディスクの色調に差があり、本編がやや赤っぽく見えることや、劇場で見た色調には予告編の方が近いことなどを指摘する内容。
 これに対し、ブエナビスタの事業担当者は「モニターによってフルデジタルの細かな階調を表示できないものがあるなど、機器の個体差が原因である可能性が考えられるが、DVD自体は制作者公認で、原版に忠実」と反論する。
 予告編は劇場用フィルムを使ったのに対し、本編はデジタル原版から作製。セル画で起こらなかった問題がデジタルで生じたのは、原版データの劇場用フィルムへの変換、もしくはDVDへの変換の過程に、何らの原因があったとみられる。
■■色彩決定は業務用のモニターが規範
 従来のアナログ作品では、上映用フィルムはセル画をそのまま撮影するのに対し、デジタルの場合はデータを画像に変換したうえでフィルムに焼きつける複雑な工程が必要になる。デジタルアニメ制作のsme・ビジュアルワークスは、デジタルデータをフィルム化することで、「ノイズ感が出る、色調が黄色味を帯びる、階調があいまいになる」といった傾向があると指摘する。
 これに対し、「千と千尋」のフィルム化を担当した画像処理のイマジカは、業務用crtモニターの発色をフィルム特性に合わせて再現できる技術があるため、劇場用と原版デジタルデータとに色調のずれは生じていないと主張する。
 また、DVDへの変換については、セル画の場合、セル自体の色調が基準になるため、ジブリの担当者が改めて決める必要がなかった。「千と千尋」はセル画がないというデジタル特有の事情から、モニター表現に合わせた設定作業を行った。しかも、「色彩決定は業務用のモニターを規範にしている」(ブエナビスタ)という。

マスタリングはマスタリング専門家の責任・・・だけど・・・

さて、この問題、実は根が深いんです。
かるばどすほふには、音のアルバム制作の難しさを説明したコンテンツがありますが、それの映像版の話題です。
ご紹介した記事は、とてもよく取材されていますが、ちょっとだけ観点が足りません。つまり、マスタリングとその再生を別に議論することができていないからです。
■マスタリングの問題
千と千尋の神隠しの予告編と本編、たしかに色調が違います。困ったことに、特典ディスクに収録されている予告編・・・白の色バランスを間違えているんです。おそらく、フィルムからデジタル化する際にフルオートで白を決定したか、うっかり白っぽい色を白そのものにしてしまったんですね。全体的に、赤系統の色が抜けています。
でも、本編は原データがデジタルなのでそうしたトラブルがありません。よく本編の映像を見てみると、タイトル字が表示されている画面の背景にある雲の色を見ると、そちらはかなりの白になっています。つまり、タイトル字はただの白ではないのですね・・・。
で、劇場で見たという色なのですが・・・私の場合は、dLPで見た絵と、私のシステムの絵は、本編の方の色がほぼ同じ感じです。予告編の絵を見て?に思ったほどですので・・・。
Mainichi Interactiveで説明しているように、多くの人が見たのは、私のようなdlpによるフルデジタル映像ではなく、フィルムにプリントしたものです。そうしたアナログ媒体の場合、映画館での色再現性についてはかなり怪しい点があり、イマジカが主張しているように正確にフイルム化できているとしても、映画館で上映されたものがどれだけ正確に色を再現していたのか、怪しい点があります。映画館の上映システムは、ひどいばらつきが状態にあり、それほど正確な再現はできていないでしょうから・・・。
この問題は、家庭でも同じ問題があるのです。ですから、根が深い点があります。
実は、再生システムの能力が問題になるのです。
■再生システムの問題
先の記事によると、ブエナビスタでは、「モニターによってフルデジタルの細かな階調を表示できないものがあるなど、機器の個体差が原因である可能性が考えられるが、DVD自体は制作者公認で、原版に忠実」と述べているそうです。
これは、正論なのですが、いくつか世の中の実情を無視しています。
まず、いちばん大きな問題点は、業務用crtモニタと、家庭用テレビには、大きな溝があるということです。あまり知られていませんが、一般家庭用モニタは、赤色が強くされている機種がほとんどで、業務用crtモニタと大きく特性が異なります。

このような話題は20年以上前からなんですけど・・・あと、表示している領域も家庭用のほうが狭くなっています。映像の世界では常識で、そうしたチェックなんかのために家庭用の安物テレビがモニタールームには併設されています。もっとも、色のチェックには使わないのですが・・・。
余談ですが、業務用モニタで見た絵って、つまらないもんなんですよね・・・。

2002/7/26

ですから、業務用crtモニタを基準に色を決定した場合、千と千尋の神隠しのように赤い色に特徴的な配慮が行われている映像は、注意しないと赤い色が強調されすぎる傾向になりやすくなります。
それに加えて、媒体がDVDであるという点も問題です。DVDはLDのようなアナログ方式ではないため、再生システム自身の性能が直接に反映します。そのため、色の階調が多く取れない古い機種や、低価格機種の場合、中間色はより赤くなるか、赤が落ちる傾向のいずれかになります。そして、おそらくこのDVDは、赤の方向になりやすいようデータが作られているのでしょう。私が使用しているハイエンドDVDは正確に色を再現しますが、そうでない場合、おそらく、より赤くなってしまいます。

ネットワークで見ていたら、ここの文章の意味がわからない人がいるみたいで、すごく驚いてしまいました。色の階調が少ない場合に中間色が再生される場合は、その中間色がより特定の傾向が強くなるか、失われるかのどちらかになることを示します。ですから、この場合、赤系統の色は強くなるか、失われるか、になります。どちらに寄れるのかは、使用しているLSIにより決まりますので、一概には言えませんが、大抵は強くなるほうに設計していると思います。色が派手になりますから・・・。

2002/8/4

あまり知られていませんがDVDで使用されている映像用LSIは毎年革新的な技術が導入されています。原理もどんどん進歩しています。ですから、1年前の機種と現在の機種では、決定的に性能が違います。これが、3年前の機種と比較すると、その時点の最高機種であっても現在の2〜3万程度の機種の方がきれいだったりします。ただ、さすがにメーカーもそれを露骨に説明するわけには行かないみたいですねー。

2002/7/26

さらに、映像を表示する画面が、液晶(プロジェクターとか韓国/台湾製の比較的安価なパネルを使用した液晶テレビ、旧型の液晶テレビなんか・・・最新型の日本製は大丈夫です)を利用している場合、それはさらに極端になる場合もあります。
つまり、この映画の場合は全体的に、赤が想像以上に強くなる可能性がDVDであるために高いのです。

一般的に家庭用映像機器は、利用している経時変化があっも苦情が来ないように、意図的に赤が強めに設定されている機種が多くなっています。過去にはそうした配慮がなかったために、数年経ると肌の色が緑色っぽくなったりしたことがあったのですが・・・。また、店頭での見栄えを重視するため、原色系の色が強いもの、色の階調が下がっても見栄えがあるもの、が作られています。ただ、実際の映像製作者には我慢のならない場合も多く、最近までDVD化が行われなかった有名な作品があった背景は、DVDの画質そのものにあったといわれています。率直なところ、忠実な再生を行うシステムは、民生機器でもかなり高額にならざる得ないのが、今の実情です。
そして、PCでの再生は・・・ま、今までPCで映画を見て楽しめた人は・・・不思議ですね。ちゃんとした環境で映画を見たことないのかなーと思いたくなります。私はコンピュータ屋さんですが、PCで動画を見るのは映像資料だけで、映画を見ることはありません。絵を見た瞬間に、その絵の質がいやになってしまうからです。友人なら知っていますが、PCで映画が見れるとしても、見るなら家庭用TVに家庭用DVDを安物でいいから使いなさいよ、と相手かまわず話しているのが私です。PCの画面は、本体の映像回路もディスプレイも、映画を見るような色調には設計されていませんので・・・。で、今回の話題は・・・ちょっといい家庭用システムでないと、やばい絵だねー、という話題です。ですから、PCでの再生なんて論外です。

2002/7/26

■再生しやすさの責任は、マスタリング担当者・・・とは言え・・・
率直なところ、ジブリの人たちは、どのように家庭で再生されるかは知らないわけですから、このように赤に偏りやすいことは、マスタリング担当者が指摘する義務がありました。しかし、それができていないため、今回の問題になったのでしょう・・・。
美しく家庭で再生するためには、マスタリング担当者は、映像担当者にたいしてどのようにしたらいいかを適切にサゼスチョンする義務があります。そうした大切なことができていないと、このような状況になるのでしょうね・・・。
何の問題もない・・・とブエナビスタが主張するのは、仕様としてはそうでしょうが、もうちょっと制作者はがんばる義務もあるといえるでしょう。特に、マスタリング担当者は・・・。
また、美しい再生をしたい人たちは、もうちょっと詳しくてもいいような・・・。レベルの低い機種に合わせて映像を作ると、原作のよさやこだわりが、意味を成さなくなります・・・。
送り手も、受け手も、こうした問題を簡単に考えすぎてませんかねー?
映像のマスタリングも、音の場合と同じで、困った状況がありそうです・・・。

マスタリングの大切さと、再生の大変さがわかるためには、いい話題かもしれませんね。
もうちょっと、再生の「質」について議論されると、これからのためにもいいと思います。PS/2での再生と、ちゃんとしたシステムの再生をごっちゃにされるのは、ハード業界にもソフト業界にもいいことないでしょうから・・・。

2002/8/4


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