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ソニーが買収されてばらばらにされて叩き売られる日

2001/03/16

トップニュースは森首相の進退でいいのかな?

株価が下がって、12000円を割り込んだりしています。テレビでも新聞でも、森首相のせいにしており、なんでもかんでも政府叩きに話題を持っていきたいみたいです。野党もご多分に漏れず、「自分たちが政権をとれば取れれば株価は20000円台になる」とまでおっしゃっています。株価というものが政権の通信簿みたいに思っているみたいでチャンチャラおかしいお話ですが、それよりもおかしいのは、株価が下がるという意味を新聞もテレビも説明していないことではないでしょうか?森首相の進退よりも大変な話題なのに・・・・。

株価が下がるとこうなる

これから書くことは、TOB(敵対的買収)に大変詳しい、私の会社に関係ある方からうかがったお話をベースにしています。
株価が下がるという意味は、マクロに説明すればテレビや新聞の説明でもいいのでしょうが、ちっとも切実感がありません。銀行や大会社の資産が目減りして、膨大な含み損脚注1になったって、私たちはちっとも気になりません。それが経済報道の意味を伝えていないと思いますが、なんか、報道しているほうも意味がわかっていないような気がします。
株というのは、お金と同じものであり、企業が印刷する通貨みたいなものです。本当の通貨との違いは、額面の価値での取引はされず、株の価格は市場で決まることです。ですから額面50円の株が1000円になったりするわけです。株の価格は、売りたい人が多ければ安くなり、買いたい人が多くなれば高くなります。その価格は、企業のもつ価値を表している・・・はずですが、株だけで流通するために、そんな簡単ではありません。
厄介なのは、株が企業の所有権と同じ意味を持つことです。企業の持ち主とは株主であり、株数に応じて企業のすべてを左右することが出来ます。言い換えれば、株を過半数持つことが出来れば、その企業をばらばらにすることも出来ますし、廃業させることも出来ます。
では、そんなこと誰がやるのか・・・というお気持ちがあると思いますが、現実に1990年代にアメリカでは大流行しました。ですから、有名だった企業だってずいぶん無くなりました。
買収の仕方はいろいろありますが、原理は簡単で、結局は株の動きだけのことであり、株を買い集めることが出来れば企業は自由にすることが出来ます。
日本では、過去にはそうしたことが出来ないように法律により保護がありましたが、アメリカの圧力と、テレビに出られている経済評論家の皆様の素晴らしいご主張のおかげで、すべての保護はなくなりました。つまり、お金があれば企業は買収が出来る可能性が高いのです。
このような買収を防ぐために、企業は安定株主と呼ばれる、買収時に応じない株を多くして、経営の安定化を図ります。大抵は企業が株主になります。そうしたもらったお返しに相手の企業の株をもてば、株の持合といいます。しかし、そのような形態はおかしいとアメリカから非難され、また、アメリカの主張をそのままお話いただけるすばらしい評論家の皆様のおかげと、お金をぜんぶ不動産と株にしちゃった企業が金欠になったために、安定株主は減りつつあります。

TOBはとても儲かる

ところで企業を買収するという意味はなんでしょうか?
ソニーがコロンビア映画を買収したのは、将来のために企業の中にソフト部門を作るためであったといいます。大変健全です。
でも、そんなことしても、買収では大して儲かりません。ソニーも買収直後は大変で、そうとうハリウッドのやくざさんたちにお金を巻き上げられたようです。買収の時の話がアメリカ人によるドキュメンタリーになっていますが、自家用727の乗せられてコロリと騙されるソニーの買収担当者とか、なんかいいようにされていました。ソニーは未来を購入したわけですが、それが本物になるまで大変な努力を強いられたと思います。買収で本当に儲かるのは、企業の資産価値が株価を上回っている場合です。
株価は実際の企業の資産や可能性により決まるのではなく、株の売り買いで決まります。だれひとり株を買わなければ、どんな株も紙くずに過ぎません。ですから、株価が下がりすぎるということは、企業の本当の価値よりも低くその企業を得ることが出来ることを示します。
もちろん株を売ってくれる人が必要ですが、企業によっては過半数の株が市場に出ているので、通常の株価よりも高く購入する宣言をして株を買い集めることが出来ます。これがtob、敵対的買収です。企業をtobから守るには、株を買い占められることを防ぐだけです。
会社の買収をしてからどうするのかというと、企業を解体します。全社員をいったん解雇して、部門別に分解して別会社に再編成して売却してしまいます。こんな作業は紙と法律手続きですから大したことはありません。青天の霹靂で転職もままならないうちに、あっという間に処理されてしまいます。従業員が株主に対抗する方法は、法的にはまったくありません。また、企業の資産そのもの、つまり土地とか建物とか、いろいろな特許みたいな権利とかも買収が完了していれば自由に処分できます。このようなさまざまな売却価格の総額が株の購入資金を上回れば、利益です。売りやすい企業を選択すれば、企業の買収によって、短期に莫大な利益を生み出すことが出来るのです。

ソニーが買収されてばらばらにされて叩き売られる日

株の多くが市場にある企業は日本にもいくつもありますが、その代表格は今であればソニーではないでしょうか?世界的にエクセレントカンパニーとして知られ、尊敬も集めています。ソニーの株式の80%は市場にあると言われています。言い換えるとTOBしやすい企業なのです。それで、このページのタイトルに選びました。表現としてなにか実名が必要なので選んだだけで、そうした動きがあるという裏情報で書いたものではありません。ソニーの皆さん、怒んないで下さいね(ちなみにこのページはSONYのVAIOで書いています)
tobを行う場合は、市場価格よりも十分に高い金額で株の買取を宣言します。株を換金するチャンスになりますので、株で利益を得たい人には物凄くいい話です。ぼろ儲けできるからです。
株価が十分な価格であれば、tobによる買収資金を集めることは高額になり過ぎるために困難です。ですから、tobなんて実行できません。しかし、今のような株価では出来てしまうのです。ソニーの株の時価総額からすると2兆円くらい用意すればいいそうですが、このお金は準備できるそうです。ある程度資産をもっている会社であれば40〜60人くらいの企業でも・・・・。
このような買収を行う場合は、大部分は借入金で行います。借りるためには、どのようにソニーを必要に応じて分解して、短期間で売却して利益を出せるかを示すと、銀行は融資が出来ます。日本の銀行には融資できなくても、アメリカとか中国の銀行には簡単なことでしょう。このような背景があるので2兆円用意するためには自己資金を2000億円持っていれば十分との事でした。私たちからすると2000億円とはすごい金額のように感じますが、実のところ日本の国家予算からすると微々たる金額ですし(瀬戸大橋の何%が建設できるでしょうか(^^?)、欧米の優良企業であればものすごくお金を持っています。また、資産を預かって運用している会社であれば、十分なお金を持っています。また、アメリカや中国の会社であれば、凄く簡単に手配できる金額でしょう。現実に、中国資本は日本企業の買収に動いているようです。おそらく中小企業から手がけるのでしょうが・・・。アメリカ企業だって、そうした動きをはじめることは自然なことです。儲かるところに人とお金が集まる、それが資本主義の原理だからです。
利益が目的のtobが行われて成功すれば、その企業の末路は哀れです。全社員はいったん解雇され新会社に再編成されます。売りやすい商品へと変換されるわけです。SONYでしたら、売りやすいことうけあいです。素晴らしい企業こそtobする対象にふさわしいのです。
株価の低迷とは、私たちが生活の基盤にしている株式会社そのものが危機に陥っていることを示しています。
宮沢蔵相が「末期的」というのは正しいですし、その原因は政府ばかりではありません。だいたい、株式市場なんて、実際にはだれにも制御できないのです。宮沢首相の言い方が気に入らないとテレビなんかでコメント付きで報道していましたが、一国の大臣が正しく認識を語ることに何の不都合があるのか、理解できませんでした。
ソニーが買収されてばらばらにされて叩き売られる日まで、のんきな報道が続くのでしょうか。

TOBで株価が高騰したら、幸せになる人、ならない人

このようなTOBが始まれば、株価は一気に高騰します。市場では皆がTOBされそうな企業の株を、思惑で買い集め始めるからです。森首相がいたっていなくたって、株価は簡単に高騰します。
でも、こんな形で高騰したときに、経済専門家ははきっと「これが資本主義というものです。買収された企業の脇が甘かったのです」くらいにしか発言しないでしょう。だいたい、テレビに出ている専門家なんて元は株屋ですから、そうした一攫千金を狙っている人たちの仲間であり、発言の真意がどこにあるかなんて怪しいものです。
TOBのおかげで株価が高騰したときに、多くの人はどう考えるでしょうか?
アメリカ人ならば、儲けるチャンスと思い、誰もが株式投資を始める事は間違いありません。みんな幸せに思い、自由経済の楽しさを満喫するでしょう。これにはアメリカという国の歴史と背景があります。昔から株がすきなんです。古い時代から同じ話題が出てきます。世界大恐慌のときの話題は、赤毛のアンにだってマシューじいさんが亡くなるきっかけとして出てくきます・・・銀行が倒産して全財産を失い、心臓発作で倒れるのですから・・・。大恐慌のときにはアメリカやカナダでは資産運用のために全財産を投資したりしていた人が多く、株価の下落が社会を破壊しました。そして、今のアメリカだって変わらないです。年金まで401kにして株にしています。この人たち、株が好きなんです、民族文化的にだと思います。アメリカの生い立ちからして一攫千金を夢見た人たちの集まりなのだから、当然の文化的背景があります。
でも、江戸時代とか世界に稀に見る安定した社会を長く築いた文化的背景を持つ私たち日本人は、tobで株価が高騰しても、世界観が崩壊するだけで、どうしていいのかわからなくなるのではないでしょうか?儲かるチャンスとは思わず、自分の会社がばらばらにされたらどうしようと悩むのではないでしょうか?皆不幸せのど真ん中に入っていくこと、請け合いだと思います。
日本は、会社とか国はなかなかなくならないという前提でものを考えすぎています。もう滅びた共産主義の幻影なのか、江戸時代の名残なのか、そんな気持ちが色濃くあると思います。ちゃんとしていれば国も会社も永遠に続く・・・なんてことありません。会社は買収されればなくなりますし、国は侵略されて戦争に負ければなくなります。経済が崩壊しただけでも国家はなくなっちゃいましたよね、ソビエト連邦の場合は。このように脆いことを忘れているから、親方日の丸、親方大会社いう言葉が出来るのでしょう。思い出してみると、昔の労組なんかの主張は、会社に搾取されているから給料上げろでした。井の中の蛙大海を知らずとはこのことです。さすがに今は少しはまともになったみたいですが・・・。このような世界観は笑い話の塊です。企業は競争に耐えるのが精一杯で、たくさんのしがみつきの人を養うことは出来ません。たとえば、旧の日産の労組のトップは旧の日産の経営者よりも立派なお部屋にいたそうです。企業のお金を吸い上げていたわけですね。労組が強かった旧の日産自動車は、経営も不調で競争に負けていきました。労組のために経営が悪いわけでもないでしょうが、表裏一体であることは否めません。相乗効果で急降下だったわけですから・・・・。旧の日産自動車はルノーにより買収されてはじめて普通の企業によみがえりました。ルノーが労組から手をつけたのはいうまでもありませんし、親方日産でしがみ付いていた関係企業にもすぐに手を入れました。そして、今の日産の復活は多くの人の感じるところです。
報道は、株価低迷について、政権に原因があるようにいいますし、民主党はわが党が政権をとれば株価は20000円にできるだろうとお話になっているようです。なんでそうした話が出来るのでしょうか?無責任極まりないと思います。政権が変わったって民主党になったって、株で儲かりそうと皆が確信しない限り、株価なんて上がりつづけるはずはありません。一瞬の変動なんて話題にする必要も無いと思います。
株は買い注文が多くなければ上がることはなく、森首相がやめても関係ないでしょうし(どういう理屈で儲かるのでしょうか?株を買う人は・・・)、民主党でもそんなに違うとは思えません。株式市場は世界を見渡す鏡ではなく、儲けるためにいろいろな人たちが集まる場にすぎません。株の専門家がお勉強している本が、キリスト教を基本にしている人たちの書いた本をベースに勉強していて、無批判に信じているから、株式市場は神の手にゆだねられているというジョークをそのままに思うのではないでしょうか。話を捻じ曲げすぎです。株式市場はもっと泥臭いものです。
株価低迷が続くことで、家庭どころか日本人の社会観を直撃する時が、来ないといいですね。


脚注1

含み損とはまだ本当の損害になっていない損のことです。本当の損になるには売却する必要があります。つまりお金の減ったことが確定する必要があります。価格の下がった株を持ちつづけていればまた上がるかもしれないのですから、本当の損にはなりません。ですから含み損といいます

脚注2

人類の至宝といわれている芸術品のすべては、王侯貴族のお遊びの賜物です。無駄に使うからこそ、芸術が生まれ文化が進展するのです。機能だけで評価したら、芸術も文化も滅びてしまいます。旧共産圏なんて、いい例です。国家威信をかけた分野以外の芸術なんて、存在しなくなってしまいました。たった50年で壊滅したのです。文化を人が生み出すには、余剰な経済力が必須です。


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